性欲が減少してきました【「更年期世代の性」よろず相談室】
そんな読者の悩みを通して、ときには真面目に、そして赤裸々に、これからの「性」との向き合い方について考えてみよう。
回答してくれたのは、産婦人科医の宋美玄さん、漫画家の槇村さとるさんです。
イラストレーション・山口正児 構成&文・オカモトノブコ
(お悩み)性欲の減少
以前は好きだった、性的なことへの興味が薄れてきたことが寂しいです。ときどき無性に人肌が恋しくなりますが、相手もいないのでこのままだと、女性ホルモンがますます減ってしまいそう……。(東京都 会社員 50歳)
宋さん まずお伝えしたいのが、性的な行為の回数や満足度が低下すると、女性ホルモンが減ってしまうと誤解する人が多いということ。更年期に性欲が低下するのも、ごくごく自然なことです。女性の多くは「ホルモンが出ない」→「枯れる」→「女でなくなる」というプレッシャーを抱えてしまいがちですが、年齢を重ねても女性であることに変わりはなく、それをみじめに感じたりするのはナンセンス。どうか、更年期のネガティブなイメージに振り回されすぎないようにしてくださいね。
槇村さん 更年期になると、心身にさまざまな不安が現れるのは自然なことですよね。自律神経も不安定になるこの時期、気持ちだけで立て直すのは簡単なことじゃない。まずは女性ホルモンのお手当てで、体を元気にしていくのが近道だと思います。ペットの温もりに癒やされるのも、人肌が恋しいときにはすごくおすすめ。体調がよくなれば、気持ちも、おしゃれのモチベーションも自然と上がります。50歳なんてまだまだ若いし、出会いのチャンスもある。人生、楽しむのはこれからです!
「性欲」について、 以前と変わってきたことはありますか?
回答にかかわらず、目立つのは「年齢とともに興味がなくなってきた」という声。出産や婦人科系の病気、夫の単身赴任など、日常生活の変化がきっかけになったというケースも。
変わってきた平均年齢 → 41.75歳
ひとりですることはありますか?
設問全般を通して、性に対して淡泊な人が多い模様が浮き彫りとなった今回のアンケート。ただし「性欲の変化」と「ひとりH」の相関関係は見られず、あくまで個人差が大きいことがうかがえる。
『クロワッサン』1070号より