後頭部や頭頂部にボリュームを出したい…もっと髪をふんわりさせるひとワザとは?
撮影・天日恵美子(モデル)、久々江 満(商品) スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・面下伸一(FACCIA) モデル・石井たまよ 構成&文・入江信子
さらにひとワザで、もっとふんわりと!
気になる部分をカバーする方法を知って、より美しいスタイルを手にして。
Q.後頭部がペタンとしてしまいます。
A.カーラーとスプレーで立ち上げて。
年齢を重ねて毛量が減ってくるにつれ、後頭部はストンと平らになりがち。
「カーラーを使った、スタイリングでカバーします。髪をカーラーに巻きつけず、すくい上げて挟み、ドライヤーをかけ、ふくらみを出すのがポイント」(面下さん)。カーラーは、セミロングヘアなら、直径5センチ程度のものを選んで。
乾いた髪の根元にスプレーをかける。毛束を取って持ち上げ、根元にカーラーを挟む。少し上の部分にも同様にカーラーをつけ、ドライヤーの熱風、冷風の順に当てる。
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カーラーをはずせば、後頭部に柔らかいカーブが出現。スプレーの効果で1日中崩れにくい。
髪を固めすぎることなく、軽やかにキープするヘアスプレー。日中、スタイルが崩れたときも手櫛で直せる。自然なツヤが出るのも魅力。
Q.頭頂部にボリュームが出ません。
A.ピンで立ち上げ、スプレーで固定するテクを。
トップのボリューム不足を解消するには、「ダッカールピンとスプレーで立ち上げて。留める髪の量が少なすぎると、カクンと折れ曲がって不自然に仕上がるので、ある程度まとまった量を取るようにします」(面下さん)。
朝、メイク前にピンをセットし、メイク後にはずせばほどよく癖がつくうえ、時短にも。
スタイリング用のクリップ、ダッカールピンを活用。ドライな状態で、頭頂部の分け目付近の髪を幅2〜3センチ取り、ピンで挟んでスプレーをかけ、しばらく置く。
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ピンをはずしたら、つけた癖をつぶさないようなじませて。分け目部分に空気感が出る。
髪の表面にしなやかな膜を作り、エアリーに仕上げる。ボリュームを保つ力が強いのに、スプレー後もブラッシングできるため、プロの愛用者も多い。
Q.ボリュームにこだわると頭でっかちに。
A.分け目を変えて、さりげないふくらみを出す。
ボリュームを追求しすぎた結果、髪がボワッとふくらみ、頭が大きく見えてしまった……。
「分け目の位置を変えることで、トップに優しい丸みを出してみては。さらに片側の髪を耳にかければ、いっそうコンパクトなフォルムに」(面下さん)。
分け目チェンジは、薄毛予防にもなって一石二鳥。
普段と反対のサイドに分け目を取り、新しい分け目に沿って、フィックス力の高いミストをかけて固定する。分け目側の髪をサラリとラフに耳にかける。
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トップの立ち上がりにワザとらしさがなく、全体のシルエットもすっきり。頭が小さく感じられる。
海風に吹かれた後のような無造作なスタイルを作るミスト。仕上がりはマットでドライ、ハードに固まるので、崩したくない部分に使うのがおすすめ。
Q.ヘアサロンでの上手なオーダー法を教えて。
A.レイヤーの入れすぎ、明るすぎるカラーはNG。
手をかけなくても、ふんわり仕上がる髪型にしたい、とは誰もが願うこと。ヘアサロンではどうオーダーするのが正解?
「その人の髪質にもよるので、『ボリュームがほしい』と伝えて、スタイリストに任せるのが基本ですが、たとえば毛先にレイヤーを入れすぎると、スカスカになりがち。
また、明るすぎるカラーリングは、強い日差しのもとで色が飛んで、髪が少なく見えるから避けたほうがいいですね。毎日のスタイリングを楽にしたいなら軽くパーマをかけるのも手です」(面下さん)
Q.結んだときののっぺり感が気になります。
A. “クルリンパ”で立体的に仕上げて。
髪を結んだ途端、サイドやバックがギュッとひっつめられてフラットになり、老けて見えたり、生活感が出たり。毛量が少ない人のまとめ髪は難しい。そんなとき取り入れたいのが、〝クルリンパ〟のテクニック。
「髪を結んで、毛先をクルッと入れ込んで形作る方法です。結んだ箇所がボリュームアップして長持ち。スタイリングの後は、スプレーなどをつけなくても、そのままでOK」(面下さん)
耳の高さより上の髪を取り、ゴムでひとつ結びに。結び目の上部分に隙間を作り、結んだ毛束をクルッと入れ込み、毛先を下に引っ張り出す。形を整えて完成。
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"クルリンパ"してねじりを加えている分、スタイルにメリハリが出て、貧相にならない。
Q.立ち上げるのに役立つアイテムは?
A.ミスト、粉状ワックスなどを使い分け。
最近、種類が増えてきたボリュームメイク製品。ソフトなヘアスプレーはドライヤー前の仕込みに、固める力の強いミストは仕上げに活躍。
ミストには、固める力はやや弱いものの、後から手櫛で直せるライトタイプもあるので、好みで使い分けて。
最もしっかり固まる、粉状ワックスは崩したくない日に。また、毛量の少なさで悩んでいる人は、細かい粒子で薄さをカバーする、増毛スプレーを使っても。
固めすぎず、ナチュラルに空気を含ませる。〈ライトミスト〉
植物由来の樹脂エキスなどの働きで、髪に瞬時にハリが。毛髪一本一本をコーティングし、互いに反発させることでコシを補い、軽やかなスタイルを作る。ケア効果も高い。
髪本来の柔らかい質感を保ったまま、根元を立ち上げるミスト。使い続けると、ケア成分が髪内部に蓄積し、ハリや弾力が高まる。精油や天然香料を用いた香りも清々しい。
とにかくキープ力を求めるなら。〈パウダーワックス〉
リキッドの中にパウダーを配合したスタイリング剤。振ってから髪にスプレーし、なじませれば、動きは自由自在。ベタつかず、加えて皮脂や湿気にも強く、これからの季節も安心して使える。
ホールド感を重視したい日には、こちらの粉状ワックスを。少量を手に取り、立ち上げたい部分の根元に直接振り掛けて使用。かっちり固定し、長時間崩さない。
分け目や生え際の薄さが気になる人に。〈増毛スプレー〉
薄くなった髪に付着、コーティングして増量。髪が生えたように自然な量感を出す。うっすらと色がつくタイプなので自毛にナチュラルになじむ。ブラウンもあり。
『クロワッサン』1068号より