天赦日、小正月…知っておきたい、縁起のいい暦と行事。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・庄野紘子 文・黒澤 彩
〈暦の上での幸運日とは?〉
●一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
この日に蒔いた籾が万倍に実るという意味。「わずかな元手で多くの成果を得られる日と解釈することができます。反対に、人から物を借りたり、借金はしないほうがいいでしょう」(三浦さん)
●天赦日(てんしゃにち)
八百万(やおよろず)の神が天に昇り、万物の罪を許す日で、年に5〜6日しかない。「何をするにも神様の恩恵に浴すことができるとされ、何か新しいことをスタートするのにも最適な日です」
●寅の日
黄金色に輝く寅(虎)は金運の象徴。「虎は千里を行って千里を帰るといわれることから、旅に出て無事に帰る、財布から出ていったお金が戻るとされます。出戻らないようにと婚姻を避ける人も」
\ 2022年の最強幸運日を チェック。/
★★☆ 1/11
一粒万倍日、天赦日
★★★ 3/26
一粒万倍日、天赦日、寅の日
★★☆ 6/10
一粒万倍日、天赦日
一粒万倍日は月に4〜7回。これに他の吉日が重なるとさらなる幸運日に。’22年、3つが重なるのは3月26日だけ。
〈冬〜春、季節の行事。〉
●年越し
「歳神様を迎える正月の準備は一年でもっとも大切です」。大掃除をして、正月飾りや鏡餅、おせちを用意するのも歳神様をもてなすため。すべて整えたら、長寿や開運を願い年越しそばを食べる。薬味のネギにも「労う」「ねぐ(祈る)」意味があるので、たっぷりと。
●人日(じんじつ)の節句
1月7日は、中国伝来の五節句の一つ、「人日の節句」。別名「七草の節句」といい、七草粥を食べる。「中国では7日に人の運勢を占い、邪気を払うため7種の具の粥を食べたそうです。日本でも春の七草の粥を食べて植物の生命力を授かり、無病息災を祈ります」
●小正月(こしょうがつ)
1月1日を「大正月(おおしょうがつ)」と呼ぶのに対し、15日が小正月。「正月事仕舞いとして、神社ではしめ飾りなどを燃やす『どんど焼き』が行われます。家庭では邪気を払うため小豆粥を食べる慣わし。五穀豊穣を願って作られる餅花も、本来は小正月に飾ります」
●節分
立春(=新しい年)を迎えるにあたり邪気払いをする日。「節分は年に4回ありますが、立春前の節分、2月3日がもっとも重視されています。豆まきのほかに、玄関先に柊鰯を飾ることも。焼いた鰯の匂いとトゲトゲした柊の葉で、鬼を追い払う意味があります」
『クロワッサン』1060号より