パスタにも使える、ブロッコリーと粒マスタードのディップ【呼吸器をうるおす健康レシピ】。
そこで、体を内側からうるおしてくれる食材を使ったレシピを紹介します。
撮影・岩本慶三 文・山下孝子
魚や肉にかけたりパスタにも使える万能ディップソース。
味付けに使われている粒マスタードには抗炎症作用があり、呼吸器を楽にしてくれる食材として古くから知られています。
また、レモンはビタミンCだけでなく、カルシウムの吸収を促すクエン酸の働きも大切です。カルシウムは骨の材料になるだけでなく、自律神経のバランスを整えるためにも使われており、粘膜の健康にはぜひ摂取したい栄養と言えます。
また、隠し味のおろしにんにくには、体内に入ると、病原性のある細菌やウイルスを退治する作用を持つ「アリシン」に変化する硫化アリルが含まれているので、抵抗力のあるカラダづくりに、積極的に摂りたい野菜です。
ただし、生のにんにくは一日4g以上食べると胃が荒れる可能性があるので注意しましょう。
辛みと酸味のバランスがよいので、シンプルな味付けの肉や魚によく合うディップソースです。
ブロッコリーと粒マスタードのディップ
【材料】2人分
ゆでブロッコリー …… 1/2株(130g)
オリーブ油 …… 大さじ2
レモン汁 …… 小さじ1
にんにく(おろし) …… 少々
塩 …… 小さじ1/2
粒マスタード …… 10g
【作り方】
1.粒マスタード以外の材料をフードプロセッサーに入れ撹拌する。
2.粒マスタードを加え混ぜる。
3.冷蔵庫で2~3日保存可能。魚や肉にディップしたり、パスタに絡めて。
ビタミンAECを含む最強野菜、ブロッコリーで感染症に備えよう。
空気中の細菌やウイルスといった「外敵」は、息を吸い込むことで体内に侵入しますが、鼻やのどの粘膜に備わっている免疫機能によってその大部分は退治されます。ところが、粘膜が乾燥してカサカサの状態になってしまうと、免疫機能は十分に働くことができなくなってしまうのです。その結果、インフルエンザや新型コロナといった感染症に感染・発症するリスクが高くなります。
それを予防する対策のひとつが、粘膜にうるおいを与える食材、具体的にはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが含まれた食材を毎日の食事に取り入れることです。
「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれるこれらの栄養が豊富な食材がブロッコリー。一年中手にすることができますが、旬を迎える冬はより栄養価が高く、値段も手頃になります。
また、植物には「第7の栄養素」とも呼ばれる化合物「フィトケミカル」が含まれています。フィトケミカルには免疫力を低下させる活性酸素を消す働き(抗酸化作用)があり、特にブロッコリーには豊富に含まれているのです。
(ブロッコリー)ビタミンACE を含む最強野菜。
ゆでブロッコリーにしておくと便利です。
ゆでブロッコリーにしておくと、冷蔵庫で2~3日保存できるため、サラダとしてそのまま食べたり、おかずの具材にしたり、いろいろな料理に使えて便利です。もちろん冷凍保存も可能。ただし、解凍すると歯ざわりがやわらかくなるため、気になる場合はスープや今回紹介するディップに使うとよいでしょう。
【 ビタミンA 】
粘膜や皮膚の状態を整える働きを持つ栄養で、緑黄色野菜に豊富なカロテンは体内に入るとビタミンAに変化します。
【 ビタミンC】
抗酸化作用が高く、粘膜や皮膚を丈夫にする栄養ですが、水に溶けやすく加熱によって失われやすい性質があります。
【 ビタミンE 】
血行を促進する働きを持ち、体の冷えを予防してくれる栄養です。脂溶性のため油分があるほうが吸収しやすくなります。
基本のゆで方
『Dr.クロワッサン 感染症に負けない、カラダをつくる。』(2020年11月30日発行)より。