雑談力は、相手に楽しんでもらおうというサービス精神。ただ、その気持ちがあってもうまくできない人もいる。
「『会話が続かない』 『話をするのがしんどい』と悩む人は、その場を一人で何とかしようとしすぎて、会話自体のハードルを高くしているのだと思います。
自分、そして相手がいてコミュニケーションは成り立つもので、独演会ではありません。会話を続けるにも、盛り上げるにも、相手の力を借りればいいんです。
雑談はお互いが心地よくなるための手段で、大切なのは会話の内容ではなく『一緒に』という姿勢。構えすぎず会話を楽しんでみては」(DJ、ナレーター・秀島史香さん)
普段の会話のほぼすべてに雑談を混じえている、というのがライフオーガナイザーの高原真由美さん。
「私にとっての雑談は、話の脱線や余談ではなく、お互いの理解や親密度を深めるもの。話の本題として伝えたいこと、聞きたいことがあっても、そこだけ話していては、人と深く〝繋がる〟ことはできないと考えています」
リモートワークが進んだ最近、雑談の余地がなくなったことを懸念する。
「すぐ本題に入る、雑談抜きの会話が増え、心のゆとりや、新たなアイデアが生まれにくくなった気がします。新しい生活様式の中で、雑談の持つ力を発揮できる方法を模索しています」