疲労回復効果が高い鶏むね肉は、そぎ切りでやわらかくなる。
撮影・水野昭子 文・佐野由佳、小沢緑子 料理・田村つぼみ
鶏胸肉はそぎ切りでやわらかく。
手に入りやすいのに疲労回復効果が高い鶏胸肉。ただし、火を通すとパサつきやすい難点が。
その鶏胸肉が“切り方”ひとつでふっくらやわらかくなります。それが、包丁を寝かせながら筋繊維に沿ってそぐように切る「そぎ切り」。
胸肉全体に走る筋繊維を途中で断たないように切るため、熱が加わってもそこから外に逃げ出す水分が少なくなるのです。同じ鶏胸肉とは思えないほど舌ざわりがよくなるので、実践を。
料理に合わせて、切り方を変える。
●厚めに
包丁を身の横から入れ、大胆に2等分にするつもりで厚めに切る。鶏カツといった厚みがほしい料理に。
●長めに
包丁をかなり寝かせ、薄く長めに引いていく。生姜焼きやしゃぶしゃぶ用の肉に向く。
●ひと口大に
包丁をやや斜めから入れてひと口大のサイズに切る。火が通りやすいので炒め物、唐揚げ用に。
一枚肉をそぎ切りにする方法
まずは一枚肉の筋のある部分で2分割(左写真)。その後、包丁の刃を寝かせて、そぐようにして切る(左斜め上写真)。包丁を手前に引くイメージで。
鶏と野菜の炒め物
【材料(1〜2人分)】
鶏胸肉1/2枚(150g)
塩小さじ1/4
コショウ少々
酒大さじ1
キャベツ3枚(150g)
もやし1/2袋(100g
にんじん1/3本
ニラ1/3束(30g)
A[塩小さじ1/4、コショウ少々、醤油小さじ1]
油適宜
【作り方】
1.鶏胸肉をひと口大にそぎ切りにする。
2.1の鶏胸肉に塩、コショウ、酒で味をつける。
3.キャベツはひと口大のざく切り、にんじんは短冊切り、ニラは4cm幅に切る。
4.フライパンに油をひき、鶏胸肉を入れて炒める。
5.4の鶏胸肉をいったんフライパンから取り出す。
6.フライパンに油をひき、キャベツとにんじんを入れて炒める。
7.油が全体にまわったら、もやしとニラを入れてざっくり混ぜる。
8.7の鶏胸肉を戻し入れる。
9.Aの調味液で味を調える。
〈 ポイント 〉
そぎ切りにすると、炒めても鶏胸肉が硬くならない。繊維に沿って切るので肉の厚さが均等になり、短時間でムラなく炒めることができるので、シャキッとした野菜炒めができます。
『Dr.クロワッサン 新装版 疲れないコツ』(2019年7月29日発行)より。
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