眠る前などに筋弛緩法を行う【専門家に教わる快眠メソッド】
撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・嶌 陽子
眠る前などに筋弛緩法を行う。
日中、忙しく過ごした体は、寝る際にもまだ緊張モードが解けていないことがある。これを緩めて自律神経系を交感神経優位から副交感神経優位にすることがぐっすり眠るための鍵。友野さんのおすすめは、いつでも簡単にできる筋弛緩法だ。
「椅子に両足を軽く開いて座り、目を閉じます。手をグーににぎり、足のつま先は天井に向け、顔からつま先まで全身にぐっと力を入れて、5秒間キープ。次に息を吐きながら一気に全身の力を抜きます。これを3〜5回繰り返すと、心身の緊張がほぐれます。
全身の筋肉を使って行うのがコツ。椅子に座って行うほか、眠りにつく直前にベッドに仰向けに寝て行うのもおすすめです」
そのほかに、胸を開くストレッチも。椅子に浅く座り、両手を頭の後ろに置いて胸をぐっと開き、天井を見上げて数回呼吸をするだけ。昼間、長時間のデスクワークなどで前かがみになりがちな体が心地よくほぐれて、リラックスモードになれる。
「睡眠のとり方次第で、太りやすい体にも痩せやすい体にもなります」
そう語るのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。自身もよく眠ることで15kg痩せたという経験の持ち主だ。
「睡眠が不足すると食欲が増すグレリンというホルモンが増加し、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減ることがわかっています。また、寝不足だと糖質や脂質を強く求めるようになるうえに代謝も落ちるので、より太りやすい体になってしまうのです」
理想の睡眠時間は7時間程度。難しければせめて起床時間を一定にし、体内リズムを整える。目覚めた時に熟睡したと感じられる良質な睡眠をとることで、自然と食欲のバランスが整い、痩せやすい体が作られる。
「私自身、睡眠を改善したら暴飲暴食が止まり、ジャンクフードを食べたくなくなりました。ストレスなく、気づいたら痩せていたというのが実感です。忙しくてジムなどに行く暇がないという人こそ、睡眠を有効活用しない手はありません。一歩ずつ、できることから取り入れてみてください」
【睡眠時間と肥満度の関係】
『クロワッサン』1037号より