「東日本大震災の後に、防災グッズを本格的にそろえ始めました」と柳沢小実さん。衣食住にこだわりを持ち、すっきりとした住まいや暮らし方を信条とする柳沢さん。選び方にも“合理性”を貫いた。
「趣味の登山やキャンプで使用しているアウトドア用品を見回してみると、防災グッズに転用できるものがたくさんあることに気がつきました」
電気がない山中で役立つソーラー電池のランタンやヘッドライトなどは、停電時にもそのまま活用できる。一方で、携帯用コンロは、アウトドアだけでなく非常時も使用することを想定して、あえて市販のカセットボンベを使えるモデルを選択した。
「普段から使い慣れているものと兼用できれば、あらためてそろえる手間も費用も省けますし、災害時でも慌てず確実に使うことができます」
食料は、日々の料理でも非常時でも使える食材をキッチンにストック。いわゆる防災食は、登山やキャンプ時に“山ごはん”として試食し、お気に入りを登山道具の倉庫に保管。
「被災すると気分が落ち込みがちだからこそ、ちょっと気分が上がる食事が欲しくなりますよね。尾西のチキンライスやドライカレーは、まさにそれを叶える防災食です」
そのほか衛生用品などを含め、被災直後に必要なものは、リュックに入れて寝室の入り口に。その後の在宅避難で使うものはかごにまとめて寝室のクローゼットに収納している。
「ハザードマップや自宅の耐震度から、私の場合は在宅避難の可能性が高いと判断したので、一応、避難所に行くための準備もしてはいますが、クローゼットの奥へしまっています。収納には限りがあるので、メリハリをつけた備えも大事だと思います」