香港のシンガポールビーフン【口尾麻美さんのアジアのスパイス料理レシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
【香港】シンガポールビーフン
カレー粉
コリアンダー、ターメリックなど何十種もの香辛料を調合したミックススパイス。カレーだけでなく炒めものにも重宝。国や製造元により配合比率もさまざま。香港製はほんのり甘い香り。
シンガポールには存在しない!? 香港のご当地焼きビーフン。
なぜか“シンガポール”と名の付いた、香港の食堂が誇る具だくさんビーフンは、オイスターソースと豚肉がコクの秘密。「野菜は冷蔵庫にあるものでアレンジして。ビーフンはたっぷりの水で蒸すように炒めれば、ダマになりません」
【材料(2〜3人分)】
ビーフン100g
ごま油小さじ1
しょうが1かけ(千切り)
えび50g
豚バラ薄切り肉50g(食べやすい大きさに切る)
水200ml
A[カレー粉、オイスターソース各小さじ1 塩小さじ1/2 白こしょう適量]
赤パプリカ1/4個(細切り)
ピーマン1個(細切り)
青ねぎ適量(4cm長さに切る)
卵1個(錦糸卵にする)
【作り方】
1.ビーフンを水(分量外)で戻しておく。
2.フライパンにごま油、しょうがを入れて炒め、香りが出たらえび、豚肉を加えて炒める。ビーフンを加え、分量の水を注いでふたをし、強火で3分加熱。ふたを取って混ぜ合わせておいたAを加え、全体を混ぜる。
3.水分がなくなったら野菜と錦糸卵を入れて炒め合わせる。野菜に火が通ったらごま油(分量外)をまわしかける。
街角や家庭で愛されるローカルの味を、手に入りやすい食材で。
「消化力を上げるクミンや体を温める八角はじめ、生薬の力が日々の食に根付いているのが、中華圏や東南アジア料理の魅力のひとつ」
と語る口尾麻美さん。今回伝授してくれたのは、日本でも手に入る食材で簡単に作れる各国のローカル食。
「スパイスには素材の味を引き出して深みをもたらす、優れた調味料としての一面も。身近な食材がスパイス一つで新鮮な味に変わります」
高温多湿な日々を乗り切るアジアの知恵を、ぜひこの夏の食卓に。
『クロワッサン』1023号より