この絵本に登場する人たちは、朝起きたら必ず窓をあけるという習慣があります。
あるところでは窓のむこうに大きな山が見え、あるところではビルや繁華街。そしてあるところでは一面の海。さまざまな気持ちのいい朝の風景が、荒井良二さんの鮮やかなタッチで描かれています。
わたしも最近、朝、窓を開けて空気を入れかえるように心がけるようになりました。晴れた日なんかは外のカラッとした空気が風とともに部屋に入ってきて、明るい気分になれます。
登場人物の細かい設定などは特に記されていませんが、きっとそれぞれの人生ではうまくいかない日や、パッとしない日もあるでしょう。しかし、朝起きて窓を開けるということで今日という日をじぶんから迎え入れる。
主体者としての心、気持ちを明るくもっていこうとする、たくましい楽観主義が、この作品の底に流れているような気がしてなりません。
一日を明るい気持ちでスタートさせるにはもってこいの1冊です。