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【山田ルイ53世のお悩み相談】夫の一言に傷ついてそのことを許せないでいます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は娘のことで責められ、夫のことが許せなくなってしまった女性からの相談です。

撮影・中島慶子

<お悩み>

はじめまして。
小5女の子と6歳の男の子の母親です。
小5の娘が、今年6月から不登校気味で夏休みに突入しました。
新しいクラスに心を開いて話せるお友達がおらず、一人ぼっちだと言っていました。
後で聞けば、2年の時、いじめられたトラウマから、人が怖くなってしまい、どう自分から溶け込んだらいいのか、分からないし、出来なかったようです。
不登校当初は、ただ分からない!と大声で泣く娘を見て、それはもう、苦しかったです。どうしたらいいか分からず、わらにもすがる思いでした。
ソーシャルワーカーさんのアドバイスを頂いて、夏休み、思いっきり気分転換したり、思う存分動画を見て楽しんだりしました。
また、半年以上前からだんだんと胃腸の不調がひどくなり、胃もたれと下痢があったので、8月に薬を飲んで体調が回復しはじめると、9月からは学校へ行けるようになりました。
娘が学校に行くようになって良かったのですが、不登校中、夫から2度、あの子があんな風になったのは、お前のせいだ!と言われました。
その言葉が忘れられず、許すことも出来ません。
私なりにその都度一生懸命関わってきたし、不登校の時、夫の発言や関わりから、私が心から頼れたのはソーシャルワーカーさんでした。
いざという時に、私の味方になってくれない人なんだと、前から時々思うことがあります。
夫婦は写し鏡、お互い様という言葉がありますよね。
そうなると、私もあんななのかと愕然としてしまいます。
人を許せるようになるにはどうしたらいいのでしょうか?

(とみー/女性/ 40代 ナース)

山田ルイ53世さんの回答

娘さん、ひとまず学校に行けるようになったのは本当に良かったとホッとしておりますが、実際、とみーさんは親として万全の対処をされていると思います。
娘さんが学校に再び足が向かったのは、正真正銘相談者の「せい」でしょう。
「お前のせいだ!」
と相談者を責めるような台詞を仰った旦那さん。
これは分かり易い。
不登校中、2度ほどあったこの発言、恐らく、不登校になったときと、体調不良になったときの2回なのかなと想像します。
要は、彼の罪悪感のピークが2回あったということではないでしょうか。
「○○のせい」と「○○のお陰」はワンセット。
それだけ、旦那さんご自身、お子さんに関わっていない、力になれなかった、疎かにしたという引け目があるのだろうなと。
結論から言えば、無理に許すこともないと思います。
何でも許せてしまったら、それはもう仏の道。
“涅槃”の領域です。
鹿やリスなど、森の仲間が相談者の周りに集まってくるでしょう。
本来、旦那さんが許しを請うのが筋でしょうし、完全に許せる、気にしなくて済むのは、彼が相談者と無関係の人になったときだけ。
夫婦だからこそ、まだそこに絆があるからこそ許せない、腹立たしく感じる、ということもあると思います。

ただ、ご両親がこのまま家庭内不和に突入すれば、まだまだ思春期の娘さん。
文字通り、2人の“せい”で、どうにかなるかもしれない。
月並みで申し訳ないですが、話し合いましょう。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
 公式ブログ

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