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糖尿病を誘発する恐れもある、女性に多い歯周病を侮るなかれ。

歯、歯ぐき、歯並びなどに起こる問題症状は、早めに改善するのが得策。最新の知見などを元に、歯科医の坂本紗有見さんがわかりやすくポイントを解説。

イラストレーション・かざまりさ 文・板倉みきこ

歯周病になると、歯ぐきの中で悪さをする細菌が血管から全身に運ばれ、糖尿病や心臓病、認知症など多くの疾患の原因に。しかし、歯周病が怖いのは自覚症状がない点。血が出た、腫れたというときには、かなり進行した状態に。

「口の中の症状には驚くほど無頓着な人が多いんです。歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットの深さが5mmあると、手のひら1つ分の範囲で炎症を起こしています。そして、出血すると歯周病菌だらけの血を、毎日おちょこ約1杯分飲んでいるのと同じなんです」(坂本さん)

歯周病は特に予防が大事。放っておくといずれは歯が抜けてしまう。

「特に女性の更年期は、ホルモンバランスの変化で歯周病になりやすい。定期的な検査を心がけ、適切な対応をしていきましょう」

歯周ポケットの深さが5mmに達すると、炎症範囲は手のひら分ほどに。出血量はおちょこ約1杯分になる。
歯周ポケットの深さが5mmに達すると、炎症範囲は手のひら分ほどに。出血量はおちょこ約1杯分になる。

〈 歯周病がもたらす全身へのリスク 〉

●糖尿病
●脳梗塞、心筋梗塞
●アルツハイマー型認知症
●誤嚥性肺炎
●骨粗鬆症
●関節リウマチ など

糖尿病を誘発する恐れもある、女性に多い歯周病を侮るなかれ。

坂本紗有見(さかもと・さゆみ)さん
歯科医。銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81院長。日本アンチエイジング歯科学会常任理事。大人の歯列矯正を推進。

『クロワッサン』1016号より

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