錯覚メイクでたるみの影を消し、キュッと上向きリフトアップ!
撮影・玉置順子(t.cube/モデル)、久々江 満(商品) スタイリング・日置 彩 ヘア&メイク・長井かおり モデル・樹神 イラストレーション・さとうあゆみ 文・片岡えり
弾力不足で頬が低くなり、顔の下半分がもたつく“たるみ”。目の下の凹みやほうれい線が目立ち、口角も下がるので、印象全体を暗く疲れて見せてしまう。「たるみを一瞬で消し去る魔法はありませんが、目の錯覚を利用したメイクなら、立体感を演出してフェイスラインを引き締め、小顔に見せることは意外に簡単です。ただし、肌が乾いてシワっぽいと頬に光を集められないので、しっとりみずみずしい質感をキープする保湿を忘れずに。目の下やほうれい線などたるみの影を消すコンシーラーは、色で覆い隠すものではなく、保湿効果と明るい光でふっくら見せるアイテムを選んで」
〈 パーツ別たるみ対策 〉
[目の下 → 放射状に広げる]
くぼみの谷が暗い影を作り、クマのように見える目の下のたるみ。「硬いコンシーラーの厚い膜で覆うと時間が経ったときにシワシワになり、余計に目立つことに。土台のスキンケアでしっかり保湿した上で、目頭の下にパールの光を仕込んでふわっと明るく見せましょう。目の下は皮膚が薄いので、指でゴシゴシこすらないことも鉄則です」
[ほうれい線 → 境目にギザギザ]
1センチ伸びるごとに10歳老けて見えるといわれるほど印象を左右する、ほうれい線。これは表情ジワというより頬のたるみによってできるもの。「まずは、ほうれい線の凹みにファンデーションが溜まってよれないよう、ベースを薄めに仕上げること。コンシーラーを使う場合は、肌色よりやや明るめの色で、線の下にできる影をぼかすイメージ」
[下がった口角 → 上向き矢印を作る]
年齢を感じさせるだけでなく、性格までネガティブな印象を与えてしまう“への字口”。「キュッと上がった口角は、リフトアップ感と幸福感の象徴。下がった口角はコンシーラーで上向き矢印を描くテクニックで、効率よく補正できます。コンシーラーがないときは、ファンデーションでも代用可能なので、リップメイクのルーティンに加えましょう」
ハイライトと シェーディングで頬はふっくら アゴ周りはすっきり。
頬骨は高い位置に、フェイスラインはきりっと引き締める。その錯覚を叶えるのが、ハイライトとシェーディング。「頬の上に光を集めることでふっくら見せ、逆に耳の前からアゴには影を作りシャープに。山と谷を作ることで自然なメリハリが生まれ、立体感を演出できます。ただし、やりすぎは禁物。肌色よりワントーン明るいハイライトとワントーン暗いシェーディングで、自分でもわからないくらい自然に仕上げて」
ハイライトは指でササッと。
シェーディングはブラシでふんわり。
赤味で視線を集めて頬の余白を小さく見せる。
年齢とともに立体感がなくなり、間延びする頬。余白を小さく見せるため、また健康的な若々しさを演出するためにも、血色感は欠かせない。「ここが私の頬ですよとポジションを示すチークは、あえて高めの位置に入れるのがポイント。唇はボリュームがなくなりフレームもぼやけて存在感が弱くなるので、ラインで輪郭をやや厚めに取りましょう。ポンと赤味をのせると視線が集まり、たるみや影を目くらましできますよ」
横長チークで、頬の位置を高めに。
目線を唇に集めるふっくらリップ。
ふっくら弾む明るい頬と上昇感のある唇で若々しく。
長井かおり(ながい・かおり)さん●ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌やWebを中心に多くの美容企画を担当。理論的なメイクメソッドに人気があり、幅広い年齢の女性に支持されている。近著に『世界一わかりやすい メイクの教科書』(講談社)。
『クロワッサン』1015号より
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