くらし

くり返し訪れ、第二の故郷に。暮らすように旅する、九州。【岡本敬子さん】

見たことのない景色に出合い、多様な食や文化に触れて、自由な心になる。生きる喜びを満喫できるおすすめの旅を、旅上手の岡本敬子さんに聞いた。
  • 文・長谷川未緒
市内から桜島に行く船に乗車。ほんの十数分だが、旅気分が味わえる。友人を案内することも。
鹿児島空港の待合室はイームズの椅子。デザイン好きにはたまらない風景。
鹿児島のシンボル・桜島。
鹿児島・ 国分にあるベトナム料理店『ミスサイゴン』。汁なし麺のブンが岡本さんのお気に入り。
10泊くらいまでなら、リュックサックで。キャスターつきスーツケースからこれに変えて、前より身軽に移動できるように。「山と道」というブランドのものがおすすめ。
鹿児島で買った竹かご。鹿児島にはよい竹かごがたくさんある。
鹿児島に行く前に予約を入れておく居酒屋『橙』。地元の人たちも大好きな場所。
日田名物の弁当「きこりめし」。杉の産地である大分・日田で、創業89年の老舗料理店『寶屋(たからや)』で予約すると食べられる。

年の半分は仕事を兼ねた旅に出ているというファッション・ディレクターの岡本敬子さん。ここ数年、夏には決まって、鹿児島を拠点に、九州を訪れている。

「夫(編集者の岡本仁さん)が仕事をする会社が、夏に鹿児島でフェスティバルを主催しています。私も仕事を通じて知り合った友人に会いに、2週間ほど旅に出ます」

飛行機で鹿児島に入り、そこからは新幹線や電車などを利用して、気の向くままに熊本、大分、福岡など、各地にいる友人を訪ねて歩く。

「旅といっても、観光は美術館に行くくらいで、あとは東京にいるのと変わらないですね。昼間は仕事をすることも多いですし、夜は人と会って、おいしいごはんを食べることが楽しみです」

食通としても知られる岡本さんは各地に好きな飲食店がある。鹿児島はかつお出汁が美味なおでんと自然派ワインの店『梅屋』、熊本は地元の食材を使ったお惣菜の店『コルリ』、長崎は設えが素敵な『朱欒(ざぼん)』など。通ううちに店主と親しくなり、おすすめの店を教わったり、人を紹介してもらったり。

「鹿児島の妙見(みょうけん)温泉をはじめ、九州には、泉質のいい温泉もたくさんあります。街の銭湯でも、温泉というところが見つかりますよ。くり返し同じ場所を訪れることで、おもしろい人と出会い、いいところが発見でき、第二のホームタウンのようになります。現地に着いて方言が耳に入ってくると、ほっと安心しますね」

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