野菜・果物・海藻と合う!?
雑穀の新しい味を発見するレシピ vol.1。
あんな小さなつぶつぶだけれど、雑穀は、調理のしかたや組み合わせる食材によって個性を発揮します。新しい雑穀の魅力を発見するレシピを3つご紹介。
ご飯に混ぜて食べるなど、控えめな脇役というイメージが強い雑穀。実は主役を張れるだけの強い個性があると、食材の声に耳を傾けて独創的な発想で野菜料理を作り出す「国境なき料理団」団長の本道佳子さんは言います。
「雑穀というとブレンドされた十穀米とか十五穀米とかを食べることはあっても、1種類の雑穀を野菜や果物、海藻と組み合わせて料理を作ることは、あまりしないですよね。でも雑穀はそれぞれに味わいも食感も格別だし、料理に使うとうまみとコクが出て充分に肉や魚の代わりになる食材なんです。その個性を活かせば、野菜だけで満足感が得られる料理を作れます」
ことにバラエティに富んだつぶつぶの食感は、雑穀の新しい魅力を引き出す重要なカギになります。
「雑穀はどれも個性的で、別々のおいしさがあるんです。それを引き出す私なりの秘訣を言うなら、炊くときは必ず塩をひとつまみ入れること。これは塩味をつけるためではなくて、雑穀の味を際立たせるためなんです。こうすると料理を調味するときには、塩が少なくてすみますよ」
雑穀は栄養価が高い上に、女性に不足しがちなミネラルや食物繊維が豊富なのも魅力、と本道さん。多彩な雑穀を駆使すれば、新たなメインディッシュの可能性が開けます。ここでは3つのレシピをご紹介。
調理のしかたで雑穀の個性が発揮される。
丸麦とにんじんのホットサラダ
材料(4人分) 丸麦¼カップ にんじん大1本 ルッコラ1束 洗双糖大さじ1 みりん大さじ1 レモン汁½個分 チアシード小さじ1 オリーブオイル小さじ1 塩ひとつまみ ヘンプシード適宜
作り方
1.丸麦と水400㎖、塩を小鍋に入れて中火で熱する。芯が少し残る程度まで10~15分茹でたら、ザルにあげて水気を切る。
2.皮をむいたにんじんを縦に2等分して、5㎝長さの乱切りにする。鍋ににんじんがつかるくらいのたっぷりの水とともに入れ、中火で茹でる。
3.にんじんに串がすっと通るくらいやわらかくなったら、茹で汁を50㎖程度残し、あとは捨てる。
4. 3.の鍋に洗双糖とみりんを入れて中火で熱し、煮詰まってきたら①の丸麦を加えて混ぜ合わせる。レモン汁とチアシードを加えて、全体になじむように混ぜる。
5.洗って水気を切ったルッコラを手で大きめにちぎり、皿に敷いて4.の丸麦とにんじんをのせる。オリーブオイルをまわしかけ、好みでヘンプシードを散らす。
黒米のバナナのせサワーライス
黒米3合 さつまいも1㎝ れんこん1㎝ バナナ1本 バルサミコ酢50㎖ しょうゆ小さじ1 なたね油150㎖ 塩適量 コリアンダー適量
作り方
1.黒米を30分~1時間水につけておく。炊飯器に入れ、水600㎖、塩ひとつまみを加えて炊く。
2.皮をむいたさつまいもとれんこんを2㎜幅の輪切りにする。バナナは縦に2等分する。
3.油を注いだフライパンを中火で熱し、さつまいも、れんこん、バナナを素揚げする。両面に軽くこげ目がついたらキッチンペーパーにあげて油を切り、全体に塩ひとつまみをふりかける。
4.炊き上がった黒米をしゃもじでかき混ぜ、バルサミコ酢としょうゆを合わせたすし酢を加えて、軽く混ぜ合わせる。
5.皿に黒米をよそい、③の野菜とバナナの素揚げをのせ、コリアンダーを飾る。
ひじきとマランサスの佃煮風
材料(4人分) アマランサス½カップ 乾燥ひじき10g みりん100㎖ しょうゆ大さじ1 塩ひとつまみ 白米ご飯適量
作り方
1.ひじきは、たっぷりの水を入れたボウルで戻しておく。アマランサスは、目の細かいザルで洗って水気を切る。
2.小鍋に水200㎖を入れて中火で熱し、沸騰したらアマランサスを入れて塩をふりかけるふたをして弱火で20分炊いたら、火を止めて木べらで軽く混ぜる。
3.戻したひじきの水気をよく切り、粗いみじん切りにする。
4.別の小鍋にひじきとみりん、しょうゆを入れ、水分がなくなるまで煮る。火を止めて2.のアマランサスを加え、全体を混ぜ合わせる。
5.炊きたてのご飯にのせていただく。
◎本道佳子さん 「国境なき料理団」団長/NPO法人を設立して2年。野菜料理の素晴らしさを国内外に向けて発信中。子どもたちの食育活動にも力を入れている。
『クロワッサン』912号(2015年11月10日号)より
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう
※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。
人気記事ランキング
- 最新
- 週間
- 月間