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食卓がパッとしないのはなぜ? 山本千織さんに聞く、盛りつけの法則。

食卓がパッとしないのはなぜ? 盛りつけのセンスって生まれつき? そんな悩みを「chioben」山本千織さんが解決する。
  • 撮影・高杉 純 スタイリング・矢口紀子

頑張って作った料理も、盛りつけが仕上がりを左右する。あか抜けない、変わり映えしない、そんな悩みを持つ人も多い。ちょっと気が利いていて、食卓が少しだけ新しくなる、そんな盛りつけができるようになりたいが。

「盛りつけが得意じゃなくても、『なんだか素敵だな』と思えるような一皿を仕上げられる方法はあります」と話すのは、弁当やケータリング料理で人気の山本千織さん。味だけでなく、その斬新な盛りつけや、場所に合わせたアイディアで、話題の料理人だ。

「たとえば、何をのせても盛りつけが決まりやすい器を使うこと。料理の構図が自然と美しく収まるので、頼らない手はありません。また、普段の食卓にプラスするだけで、ぐっと洗練された料理に見える小道具もあります」

ちょっとした法則を知れば、あなたの盛りつけは刷新できる。

盛りつけ下手の救世主、すぐに絵になる食器2選。

[浅鉢]高さのある仕上がりが技要らずで叶う。

「料理が映える器、といえばまずは浅鉢でしょうか」と山本さん。
たとえばサラダや和え物。時間が経っても水分が広がるということがなく、見た目もいい。
「春巻きなどの長さがあるものにも浅鉢は便利です。器の形が支えになるので、自然と中央に向かって高く盛りつけられます」
また、料理と食器の間に空間ができて、何とも言えないニュアンスが生まれるのも魅力だ。

水分を含んだおかずも、最後まで美しいまま。
タイ風のサラダ、ラープ。材料が細かく、水分もある。平皿だと間延びしてしまうが、浅鉢なら決まる。高さと底の口径の小ささがラクに盛りつけられる秘訣。水分もしっかりキャッチ。

細長いものを立てて。やぐらを組むのも簡単。
長さのあるおかず、特にさんまの竜田揚げのようなカリッとした揚げ物は、縦向きに盛り、おかずの間に抜け感を作ると美味しそう。器を支えにし、中央が高くなるよう、置いていくだけ。

[オーバル皿] いつもの料理が一瞬であか抜ける!

盛りつけが苦手な人に共通するのが、器の“空間”を自己流に活用できない、ということ。特に、洋皿のような正円だと、手前に主菜、奥に副菜を2種など、教科書どおりになってしまうこともしばしば……。
「盛りつけに新鮮さをもたらしてくれるのが、オーバル皿です。丸皿と同じ面積でも、空間を無駄なく使えて、縦のラインを思い切り強調するような盛り方もできます」
マンネリを打破する強い味方に。

一尾魚もすっきりと。無駄はなく、新鮮味あり。
あじを丸ごと香味焼きにし、いんげんはあえてカットせず、長さを活かして付け合わせた。魚の幅を持て余すことなく、かつダイナミックな印象。食卓に会話も増えそうだ。

 

ドラマチックな仕上げで俯瞰で見る楽しさも意識。
数種類の焼き野菜をマリネした鮮やかな一品は、そのまま盛っても美しいが、オーバル皿ならではの縦のラインを強調した盛りつけで、さらにブラッシュアップ。いろんな角度から楽しめる。

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