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【奈良への旅③】趣のある商店街の散策と隠れた名刹へ。

風情ある街並みが残る奈良町を散策しつつ、隠れた名刹「阿弥陀如来像」を拝みに璉珹寺へ。

【璉珹寺】

天平年間に、聖武天皇の勅願によって行基が創建したとされる、璉珹寺。当時は紀氏の寺だったとも言われ、「紀寺」とも呼ばれる。「ご本尊の阿弥陀如来像はいわゆる”秘仏”です」と映画監督の河瀨直美さんが言うとおり、一般公開は5月のみだ。阿弥陀如来立像は奈良県の指定文化財。聖武天皇の妻、光明皇后をモデルとして制作されたと言われ、美しく白い肌や、めずらしい女身の姿から、女人阿弥陀とも称される。「璉珹寺へは、奈良町を通ってゆっくり歩いていくのがおすうsめ。南北に延びる商店街の東側の路地には小さなカフェや洋服店などがちらほらあり、迷子になりながら散策するのも楽しいです」と、河瀨さん。風情ある街並みをながめつつ、のんびり歩いて市内循環道路に出たら、目指すお寺はすぐ。阿弥陀如来像が公開される5月は境内の花も美しい。

●奈良市紀寺町45 ☎︎0742-22-4887 一般拝観:5月1日〜31日のみ。拝観時間:9時〜16時 拝観料:400円。

璉珹寺には観世音菩薩立像(重要文化財)、開祖とされる行基菩薩坐像などもある。

【今西家書院】

元は興福寺ゆかりの福智院氏の居宅で、一説には大乗院家の移築とされる。室町中期の書院造りの遺構であり、唐破風や切妻作りの檜皮茸、貼紙、子持ち障子など、日本独自の工法が随所に見られる。重要文化財として保存されていることの書院では、解説付きの見学とともに、喫茶も提供。春鹿醸造元の酒粕を使ったバームクーヘン、アイスクリームなどの甘味もあり、テーブル席以外の気に入った場所で味わうことも可能だ。

●奈良市福智院町24-3 ☎︎0742-23-2256 10時〜16時(受付は〜15時30分)月曜、夏期・冬期イベント開催時 麺学のみ希望の場合は入場350円(税込)

春鹿さくら純米酒、純米酒粕を使った、バームクーヘンとコーヒーのセット。喫茶付き入場料1,000円(税込)
謁見に使われた書院の間。美しい庭が見渡せる。

【春鹿醸造元】

日本清酒発祥の地と言われる奈良で、明治17年から酒造りを営み、海外でも人気の春鹿ブランドで知られる醸造元。酒蔵ショップでは、グラス500円の購入で体験できる唎き酒をぜひ。販売コーナーでは、定番から季節限定までがずらりと並び、八重桜の花の酵母を使った「奈良の八重桜」300ml 756円など、土産話を盛り上げる銘柄が揃う。桜チップでスモークした燻製奈良漬(瓜)半割り756円(価格は全て税込)の試食もできる。

●奈良市福智院町24-1 ☎︎0742-23-2255 8時15分〜17時15分 お盆、年末年始休 2月に酒蔵見学(要予約)、9月に酒蔵まつり開催。イベント時の唎き酒不可。

ならまちの古い街並みに溶け込んだ、築200年の江戸期の建築。
唎き酒コーナーには、季節のおすすめ5種が並ぶ。

【白雪ふきん】

奈良の地場産業でもある蚊帳製造業から発想を転換し、蚊帳生地を改良したふきんを作り始めたのが、昭和40年のこと。吸水性と汚れ落ちの良さ、使用感が評判をよび、今では全国の生活雑貨店で大人気のアイテムに。そんな白雪ふきんの工房内で展開するこのギャラリーは、定番やカラフルな白雪友禅シリーズのほか、白雪友禅を使ったポーチや帆布バッグなどの雑貨も豊富に。他では入手困難なデザインも見られるなど、白雪ふきんファンなら感動間違いなしの場所だ。

●奈良市南紀寺町5-85 ☎︎0742-22-6956 10時〜17時 第1・3・5土曜日祝休 近鉄奈良駅『GOTO・CHI奈良店』、東大寺参道『東京庵本店』での販売も。

童話を描いた人気柄、白雪友禅ふきん「ジャックと豆の木」410円は色違いもあり。消臭効果のある紀州備長炭を練り込んだ、白雪備長炭入りふきん540円(共に税込)。
界隈は静かな住宅街。白いのれんの奥は、ゆっくり買い物が楽しめる落ち着いた空間。

『クロワッサン』947号より

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