愛猫の変化を見逃さない。
毎日行いたいチェックとケア。
愛猫の不調に気がつくためには、体重はもちろん、目や口、お尻の状態を確かめ、全身をなでてスキンシップをしながらのボディチェックが肝心。毎日行いたいチェックとケアを紹介します。
「多くの猫を診てきた経験上、長生きする猫はとにかく『歯が丈夫』。口内トラブルが多いと、長生きしないこともあるので、できれば歯みがきも日々の習慣にしてほしいです」。
そう教えてくれたのは、東京猫医療センター院長の服部幸さん。
「11歳までは年1回、12歳からは半年に1回の健康診断を」と続けます。
また、自宅ではできないこと、わからないこともある。そんなときには動物病院での健康診断を活用したいもの。
「病気が早期発見できれば治ることもあるし、完治が難しい場合でも苦痛を緩和してあげることができるかもしれません。できれば11歳までは年に1回、12歳になったら半年に1回のペースで健康診断を」
このとき血液検査だけではなく、レントゲンや尿検査、超音波検査など、多岐にわたって検査をしてくれる病院を選ぶことが大切。
「というのも、血液検査だけでは歯周病や関節炎、肺がんや大腸がんなどの腫瘍の有無はわかりませんから」
服部さんの病院には「にゃんにゃんドック」があり、猫の年齢、体調に合わせて必要な検査が選べるので、健康状態をしっかり把握することができます。
週1回、定期的に体重測定を。
体重の減少が不調を見極めるサインであるものの、その変化にはなかなか気がつきにくいもの。そこで週1回は体重計できちんとチェック。動物用がなければ、猫を抱っこして人間用の体重計で量り、自分の体重を差し引いて。
猫にも歯みがきが必要
長生き猫は歯がキレイ。歯周病や歯肉炎など口内トラブルが多い猫は、腎臓病や心臓病を誘発する危険性が高くなるため、歯みがきを日々の習慣にしておきたい。歯と歯茎の間に溜まった歯石をかき出すイメージでやさしくみがいてあげましょう。
スキンシップで全身チェック
一日1回は全身をくまなくなでながら体に異変がないかを確認しよう。しこりや腫れ、さわると痛がる箇所などがあればすぐに病院へ。習慣にしておけば変化にいち早く気づくことができ、スキンシップにもなって一石二鳥です。
上まぶたをめくり白目を確認。
チェックしてほしいのは白目の部分。黄疸が出ている場合は肝臓病の可能性が高く、赤くなっていたら結膜炎や緑内障の場合も。また目やにが大量に出る、涙が出るなども、目に何らかの異常があるサインかもしれない。
口は、情報の宝庫です。
猫の健康を守るために必ずチェックしたいのが口。歯茎が赤い、口臭がきつい場合は歯周病や歯肉炎の疑い大。早期発見が腎臓病や心臓病を食い止めるカギにも。さらに呼吸が浅い場合は心臓や肺、甲状腺などの病気の疑いもあり。
お尻を見て、臭いをかいで。
まずは肛門まわりが汚れていないかをチェック。便秘や下痢をすると肛門の左右にある「肛門のう」が破裂することもあるので汚れている場合はその予兆かも。また、見た目はキレイなのになんだか臭うときにも同じく注意が必要。
◎服部幸さん 猫専門医。『ネコにウケる飼い方』『ネコの本音の話をしよう』(共にワニブックス)など著書多数。愛猫はナイトくんとクイーンちゃん。
『クロワッサン』916号(2016年1月10日号)より
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