「鎌倉に移住してまもなく買い求めるようになり、お店のご夫婦とも仲良くさせていただいてます。周辺の飲食店に麺を卸す老舗の製麺所で、昔の鎌倉を写した写真集にも、先々代が引き車で麺を配達する様子の写真が載っているほどなんですよ」
と、KIKIさんが薦めるのは、鎌倉・邦栄堂製麺の中華麺とスープのセット。観光地エリアから少し外れた場所で、地域に根を張って商売を営む店だ。
「麺自体はいたって普通です(笑)。でも普通に売っている生麺と食べ比べると、明らかに味が違うんです。家でラーメンを作るとつい茹ですぎたりするじゃないですか。でもここのはちょっとくらい長く茹でても噛み応えがあって風味がある。自分で煮卵を作り、チャーシューとネギ、メンマものせて週に1度は食べます。鎌倉在住の友人も、邦栄堂の麺を冷凍庫に常備している人は多いです」
手頃で普段使いできる食材は肩肘を張らないのがいい。KIKIさんは気のおけない友人の家へ遊びに行く場合によく手みやげに持参するのだそう。
「決まって“町の製麺所の普通の麺だから”って渡しますが、もちろんおいしさには自信あり、みんな喜んでくれます。あと手みやげ向きではないのですが、餃子の皮もおいしい。皮にちゃんと味があって、もちもちと弾力感があります」
KIKIさんは登山が趣味で山に関する著書も多く、現在、山梨県南アルプス市でフォトエッセイ展を開催中。鎌倉も街中から少し入るとすぐ丘陵地帯。しばしばトレイルランニングを楽しんでいる。
「鎌倉の裏山から山道をつないでいくと20キロ以上尾根道を辿れるコースになるんです。山からすぐ海岸沿いに出られるので、今の時季は走ってすぐ海に入るのが好き。子どもが生まれたばかりなので、いずれ一緒に山登りを楽しめたらいいねって夫婦でよく話しています」