ビオラ奏者が言うには「バイオリニストは派手好きで自己中」らしい。「それにひきかえ、私たちビオラ弾きは協調性があるんです」と彼女は続けた。ほかにも「トランペット奏者はいつもやる気満々でちょっと疲れる」とか「打楽器の人は大概ひょうきん」とか、選ぶ楽器ごとにキャラがあるという。ま、こういうのは、あえて強引に決めつけて「なるほど」「言えてる」と遊ぶのが楽しいのだ。
で、今回は工事現場で活躍する重機たちの展覧会。会場には、ブルドーザー、ホイールローダー、ショベルカーなど、はたらくクルマがずらりと並ぶ。見かけはごついが、徹底的に考え抜かれて作られた精鋭たち。それぞれ「オレはこういう役目を担って存在してるんだぜ!」と胸を張っているみたいだ。あぁ、重機たちの勤労の意欲がまぶしい。きっとこれを動かす人間のほうも、気合が入るだろうなぁ。
それでふと考えた。オーケストラにあるように、工事現場でもあるんだろうか。「あいつはブルドーザー乗りだから、ちょっと強引なところがあるよな」「さすがクレーン車乗り、視野が広いね」なーんて、担当する重機ごとのキャラ付けが。いつか現場の人に聞いてみたい。
さらに「自分が操るとしたらどれがいいか」という問いが浮かび、これがもう迷いまくり! 迷った挙句、解体工事で活躍する重機を選んだ。あぁ、鉄筋コンクリートをバリバリ噛み砕くアタッチメントのどう猛で愚直なたたずまいよ。こいつは間違いなくいい仕事をするぜ。