ゆったりと日本庭園を眺めながら、心落ち着くひとときを過ごす。【東京、緑を感じる場所】
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒
【表参道】根津美術館 NEZUCAFÉ
美術鑑賞後のお茶の時間に。一面に広がる、鮮やかな緑。
日本、東洋の古美術品を集めた根津美術館の庭園内に併設された『ネヅカフェ』。店内からも本格的な日本庭園を堪能できる。「ちょうど庭園の燕子花(かきつばた)が咲き始める頃ですし、この時季のみ展示される国宝『燕子花図屏風』とともに楽しめます。庭園と屏風の構図、それぞれのリズムに触れられる絶好の機会です」と渡来徹さん。3面の大きな窓から自然光が差し込む、なんとも贅沢な空間。庭園に面したカウンター席が人気だ。
(いけばな教授者、渡来徹さんのおすすめ)
【白金台】Thrush Café
都会の喧騒を忘れる緑に囲まれた空間。
緑あふれる庭園を有する式場、「八芳園(はっぽうえん)」内にあるカフェ。テラス席の眼下に広がる、染井吉野の若葉がまぶしい。「スラッシュとは鳥のつぐみのことです。森につぐみが集まるようにみなさんにお越しいただき、ゆっくりしてもらえたら」とマネージャーの稲垣範之さん。「Farm to Table(農場から食卓まで)」をコンセプトに、顔の見える生産者から届く新鮮な野菜をたっぷり味わったら、ガーデンマップを手に庭園を散策するのもおすすめ。
(編集部のおすすめ)
【駒場東大前】駒場公園 旧前田家本邸 和館
自然豊かな公園を歩きながら書院造のお屋敷を探訪する。
駒場公園内にある、加賀百万石の栄華を極めた前田家16代の邸跡。外国からの賓客に、日本文化を伝えるために建てられたという和館の1階広間は、無料の休憩所だ。「静かで気品のある大広間から眺める日本庭園は、心が落ち着きます。この時季なら、縁側で心地よい風を感じながらゆったり過ごしたいですね」、と服部あさ美さん。茶道や俳句など、趣味の集いとして利用できる茶室が人気。広間には、鳥居型の違い棚、欄間の透かし彫りなど、見所も多い。
(イラストレーター 服部あさ美さんのおすすめ)
渡来 徹(わたらい・とおる)●いけばな教授者、華道家いけばな教室『Tumbler & FLOWERS』主宰。出張教室から展示会装花まで、精力的に手がける。
服部あさ美(はっとり・あさみ)●イラストレーター。主に水彩や鉛筆を用いた優しいタッチが人気。雑誌、広告、雑貨、書籍などで活躍中。
『クロワッサン』995号より
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