【永康街(ヨンカンジェ)編】エッセイスト・柳沢小実さんがセレクト。気分が上がる台湾のおみやげ。
撮影・黒川ひろみ、堀 由美子(店) 文・堀 由美子 コーディネーター・内海陽子(G.di.E) イラストレーション・宮城ユカリ
小籠包を食べた後は、おみやげを求めて買い歩き。
初めての台湾なら、移動が少なく一気に回れる繁華街&問屋街へ。
1年に2カ月も滞在するほどの台湾好きが高じて『わたしのすきな台北案内』を上梓。おしゃれな女性のバイブル的台湾本として支持を集めたのが2015年。その後、2週間の短期留学を決行し、各地で出合った可愛いもの、おいしいものを『わたしのすきな台湾案内』にまとめた、柳沢小実さん。
「いつ行っても、買いたいものがいっぱい。ジャンなどの調味料、ジャムやお菓子、本、雑貨……帰りの荷物の重量オーバーが心配になりますね。歩くほどに発見がある土地ですが、辺鄙な場所のお店をハシゴするのは大変。買い歩きは、注目店がぎゅっと詰まった永康街や迪化街がおすすめです」
【A】來好 (ライハオ)
2018年7月にリニューアルし、1階に高価格帯、地下にお手頃価格のMIT(メイドインタイワン)アイテムを展開。「“雑貨店の鼎泰豐(ディンタイフォン)”を目指し、海外のお客さまから、必ず行きたいお店と言われるよう、全力投球したい」とオーナーの游智翔さん。
「地下には、気軽なおみやげにぴったりのアイテムがたくさん。台湾花布の小物は、洒落たデザインのものが見つかります」(柳沢さん)
【B】沁園 (チンユェン)
契約茶園から仕入れ、厳しい残留農薬テストをクリアした、安全で確かな茶葉を扱うお店。台湾茶といえば、凍頂烏龍や東方美人という印象ながら、ここ数年は、日月潭(リーユエタン)で採れる紅茶の人気が上昇中。
「日月潭紅茶は雑味がなく、蜜のような甘い香りが特徴。すっきりとした飲み口で、朝から晩まで、時間を問わず楽しめるんですよ。いろいろ試した結果、沁園の茶葉が一番好みでリピートしています」
【C】土生土長(トゥーシェン トゥーヂャン)
“土生土長”とは、その土地で生まれ育ったものという意味。台湾産の安全性の高い、その時季の食品が並ぶ。オーナーの顧瑋さんは、最高学府である台湾大学の大学院を修了後、食への興味からジャムブランドの立ち上げなどを経て、4年前にこのお店をオープン。
「どの商品も、オーナー自ら農家や工場と直接交渉し、商品開発をしたオリジナル。食への関心が高い層に支持されているんですよ」
【D】百年伍中府城延陵堂 (バイネェンウーヂョンフーチェンイェンリンタン)
1945年に西村商社として創業し、その後5つに分社。こちらは乾物店として開業し、今の店主は3代目。現在は茶葉や茶器を扱っている(『台湾伍中行』から改名)。
熟成させた“老茶(ラオチャー)”に定評があり、海外から買い付けに来る人も。茶器は洗練されたオリジナルのほか、アンティークも手に入る。また、店頭にはない貴重な天然物のからすみ、手作りの濃厚醤油は、通のみぞ知る、隠れた人気商品。
柳沢小実(やなぎさわ・このみ)●エッセイスト。暮らしにまつわる著書多数。最新刊『考えない 探さない ラクして整う住まい考』(KADOKAWA)が好評。
*1台湾元=約3.6円(2019年2月22日現在)
『クロワッサン』993号より
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