【鴨鍋・和風だし】川津幸子さんが教える、だしと具材が絶品の鍋。
撮影・青木和義 スタイリング・渡邊美穂 文・新田草子
例えば独特の味わいがある鴨肉は、風味の強い根菜とともに濃いめの和風だしで。それ自体から良いだしが出る鶏手羽元は、乾物とともに水から煮て、煮汁に溶けたうまみを楽しむ。
「どの鍋にも、この食材はこのだし、この方法で食べたい、という“王道セオリー”があります」と、川津幸子さん。数ある鍋レシピの中から、具材と煮汁のこれぞという組み合わせ、おいしい食べ方を伝授してもらった。
「気に入ったものがあれば、何度も作って“得意鍋”にしてしまいましょう。自分なりのスペシャルがひとつあると、おもてなしもラクになりますよ」
[和風だしの鍋]基本のだし。具材によって、しょうゆや塩の加減を変えて。
和風だしの取り方
鍋に水5カップ、昆布5g、だしパックに入れたかつお節10gを入れて中火にかける。沸騰したら弱火にして3〜4分煮出し、火を止めて冷ます。昆布と、絞ったかつお節のパックを取り除く。
《鴨鍋》鴨やごぼうには濃いだし汁が好相性。締めにはぜひ蕎麦を。
【材料】
鴨ロース肉1枚、ねぎ1本、せり1束、ごぼう1本、舞茸1パック、油揚げ1枚、煮汁(だし汁3カップ、酒・みりん・しょうゆ各大さじ5)、粉山椒・七味唐辛子各適宜
【作り方】
1. 鴨肉はそぎ切りにする。ねぎは斜め薄切り、せりは4cm長さに切り、ごぼうはピーラーでささがきにして水にさらす。舞茸は小房に分け、油揚げは1cm幅に切る。
2. 鍋に煮汁の材料を合わせて火にかけ、煮立ったら1の具を加える。火が通ったら器に汁ごと取り分け、好みで粉山椒や七味などをふる。
川津幸子(かわつ・ゆきこ)●料理家。手早くおいしい、毎日作っても負担にならないレシピにファン多数。著書に『100文字レシピ』シリーズ、『あの味が自分でできる くいしんぼレシピ』ほか。
『クロワッサン』988号より