【実家の建て替えを巡って弟と妹の板挟みに】読者の相続問題を、税理士が徹底解説。
お互いに言い出しづらい話題、「親のお金」のこと。しかし先送りすることにメリットなし。読者の実例をもとに税理士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーで広尾麻布相続センター代表の中島典子さんが解説します。
イラストレーション・山下カヨコ 文・板倉ミキコ
「実家の建て替えを巡って 弟と妹の板挟みに」
両親も歳をとってきて、近くに住む弟家族と同居すると言いだしました。ついては実家を建て替え、さらにはマンションを建てて家賃収入を返済にあてつつ自分たちが最上階に住む……といったプランを見せられました。そしてローンの関係や将来的なこともふまえて、父親が私と妹に財産放棄を依頼してきたのです。弟は「自分たちが同居し、両親の老後をすべて面倒見る」と言っています。弟は末っ子で歳もまだ若く、子どもたちも小さいですし、孫たちとの同居は両親の生活にも張りを与えると思います。私と妹はそれぞれの家庭を持って離れた場所に住んでおり、故郷に戻る予定もありません。弟家族が老いていく両親のケアをするには絶対にお金が必要ですし、私個人としては財産放棄もありだな、と思うのですが、妹は頑として首を縦に振らないのです。同居や建て替えは勝手だが、それは我々に分与するべき額を別にしたうえで、弟の私財と足してやるべきと言ってききません。弟と妹の希望をどちらも叶える方法はあるのでしょうか?
板挟D恵さん(42歳 既婚 子ども1人)
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