【光熱費編】よかれと思っていたその節約術、実は逆効果かもしれません。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・柿崎サラ 文・小沢緑子
消費税率10%への引き上げが近づく今、必要以上に構えることなく「日常の買い物は普段どおりに」と、節約アドバイザーの和田由貴さん。
「駆け込みセールが行われがちですが、よく考えると増税後は100円の商品なら2円上がるだけ。煽られて余計なものを買うほうが無駄。『必要なときに必要な分を買う』のが節約の鉄則」
また、今後は現金より、クレジットカードや電子マネー、QRコードを使ったキャッシュレス決済が進みそうだが、「現金のほうが節約しやすいというのは思い込み。カードも1枚に絞って使えば家計簿代わりに。要は“お金をどう管理するか”の問題で、節約術もアップデートしていくことが大切」。
思い込みの節約術の更新を今こそ!
いったん暖まったら、 エアコンをこまめに消す。→×
「家電はこまめに消すのが正解ですが、エアコンは例外です」と、和田さん。
エアコンの場合、設定温度と室温の差が大きいと、つけ始めの10〜20分くらいがフル稼働して電気代が一番かかる。その後は設定温度に保つだけなのでそう電力は消費しないが、頻繁に消したりつけたりしていると、その都度、設定温度まで上げる動作が繰り返されて、余計に電気代がかかることに。つけ始めの消費電力は、設定温度運転時の5倍近くというから、短時間の外出ならスイッチを切らず、設定温度を下げるなどしてつけっぱなしのままのほうがいい場合も。
「暖房の電気代を節約するなら、設定温度を控えめにするのが一番。2度下げると電気代は約10%節約できます」
湯たんぽでエコ&光熱費を節約。→×
エコなイメージのある湯たんぽだが、中に入れるお湯を沸かすときに多くのエネルギーが消費され、あまり節約にはならないという。
「お湯を沸かすコストは意外に高く、ガスコンロで1リットルのお湯を沸かすと水道代とガス代と合わせて約2・43円になります。しかも湯たんぽに入れたお湯は冷めていき、ずっと温かいわけではないのです」
同じ用途で使うなら、電気あんかがコスト的にも優秀。高機能タイプでも電気代は1時間あたり約0・2円、1日8時間使っても約1・6円。
1人のときは スポット暖房を使用。→◯
「1人でいるときはエアコンで部屋全体を暖めなくても、スポット暖房で充分。暖房器具は用途で使い分けたほうが節約になります」
ただ、電気ストーブは長時間使うと割高になりやすい。電気カーペットを半分だけつけるなどの工夫を。
「暖房器具をつけるほどではないときは、電気ひざ掛けがおすすめです。膝だけでなく肩に掛けたり、腰に巻いたりもできて便利。電気代は『中』で1時間あたり0・5円程度と安いうえ、洗濯機で丸洗いができるのもいいところ」
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