人それぞれに無駄遣いの傾向が違っても、守るべき家計管理の基本は一緒。タイプ別の節約プランに入る前に、横山光昭さんから家計見直し方法の基本を聞いた。「まず大切なのは、何にいくら使っているのかを、客観視すること。実際には、シンプルに数字を見るのが一番なんです」
はじめの一歩は、1カ月家計簿をつけて出費を記録すること。次に、出費の中身をチェックするため、一つひとつの出費が「消費・浪費・投資」の、どの項目にあたるかを振り分ける。このメソッドは、略して「ショー・ロー・トー」と呼ぶのが横山式。
詳しく解説していくと、家計の支出は、上右図のような構造になっている。支出の中にも「固定費」と「変動費」があり、どちらも見直しの対象だ。
「節約といえば、食費や日用品といった変動費に目が向けられがちですが、管理しやすいのは固定費です。食費などはちょっと気を抜けば使いすぎてしまいますが、家賃や保険料は一度見直しをすれば、ずっと安いままに。もちろん、変動費の見直しも大切ですが、固定費の見直しは手続きなどが大変だとしても、その分、効率がいいのです」
続いて、前述のように全支出をショー・ロー・トーに振り分け、自分が何に使っているのかを分析する。たとえば、必要量の洋服や通院のための交通費は消費、セールでの衝動買いや毎朝の何となくのコーヒーテイクアウトは浪費、セミナー参加費や貯金は投資に分けられそうだ。何を浪費とし、投資とするかは実際の中身によるので、どこに振り分けるかは個人の判断でよい。たとえば、固定費であるスポーツクラブの会費でいえば、ちゃんと通って成果が出ていれば投資だが、幽霊会員状態ならば浪費となるだろう。
分析したショー・ロー・トーは、合計金額ではなく割合でチェックする。そうすることで、自分のお金の使い方が何に偏っているのか、客観的に判断ができる。横山さんが考える理想の割合は、上のグラフのとおり。浪費をおさえ、投資を確保するのが、人生を豊かにする生きたお金の使い方だ。
では、具体的にどう節約していけばいいか。チャート診断によるタイプ別のアドバイスはこちらの記事から進めていく。同じタイプでも、家族形態によって変わるので、まずは上の表で自分がどのケースにあてはまるかチェック。ケース別にポイントも解説する。