くらし

リポーターの東ふきさんが手みやげに推薦!近江八幡市『たねや』の末廣饅頭。

  • 撮影・青木和義 文・黒田 創

亡き祖母との思い出が詰まった、昔ながらの素朴な味。

東京・神田の生まれで、実家は祖父と祖母が築いた金物問屋という東ふきさん。小さい頃、同居する祖母の部屋に遊びに行ってはいつも《末廣饅頭》をおやつに食べていた。

「祖父と祖母は若い頃に滋賀の近江八幡から上京して商売を始めたんです。『たねや』というのは近江八幡が発祥で、神田から近い日本橋の三越にも昔から出店していました。祖母は故郷の懐かしい味を求めてこれと栗饅頭を買い置きしていたのですが、私はずっと『たねや』が東京発祥のお店と勘違いしていたほど、祖母の部屋には当たり前にあるお菓子でした」

末廣饅頭は沖縄の波照間産の黒糖を生地に使い、あえて厚皮に仕上げたひと口サイズのお饅頭。幼い東さんと姉、妹の三姉妹はそれを見つけてはすぐに食べてしまうため、せっかく買い置きしていてもすぐになくなってしまう。

「すると“もう空っぽになっている! 買ってらっしゃい!”とお金を渡されて三越に買いに走らされるんです(笑)。それくらい祖母にとっても、私たち姉妹にとっても慣れ親しんだ存在でしたね」

手ごろな大きさでかさばらず、個包装されているため持ち帰りやすい。末廣饅頭は手みやげにも重宝するそう。

「仕事柄、手みやげを持参する機会も多いのですが、いろんなデパートで買えるのはありがたいですね。また、老舗という安心感から上の世代の方にも差し上げやすい。もちろん、手みやげに買った時は自分用にも1箱買いますよ」

その味を教えてくれた東さんの祖母は昨年、103歳で大往生を遂げた。

「最後の納棺の際、副葬品の話になった時に、“おばあちゃんは天国でも末廣饅頭を食べたいはず”と、久しぶりに三姉妹揃って三越まで買いに行きました。子どもの頃のことやおばあちゃんのこと、いろいろ思い出しましたね」

東ふきさん
あずま・ふき リポーター
東京都千代田区生まれ。仙台放送時代は報道記者として活躍。『報道ステーション』ディレクター、『ワイド!スクランブル』リポーターを経て、’18年10月より『情報ライブ ミヤネ屋』でリポーターを務めている。

たねや●滋賀県近江八幡市宮内町3 営業時間9時~18時、無休。電話番号0120-295-999(10時~17時、年末休)。1872年創業の近江八幡に本店を持つ老舗菓子店。末廣饅頭10個入り500円、20個入り1,000円。ほか栗饅頭やたねや最中など各種あり。滋賀県内の直営店舗および全国各地の百貨店、オンラインショップでも購入可能。
http://taneya.jp

『クロワッサン』988号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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