ルーベンス展を何倍も楽しむための4つの話題。
撮影・谷 尚樹 文・黒澤 彩 コラム取材協力・佐藤麻理子(TBSテレビ事業局プロデューサー)
王室御用達「ヴィタメール」の限定品が登場。
美術鑑賞の後のお楽しみは、実は物販だったりする。ミュージアムショップに揃うルーベンス・グッズの中から、とびきりのお菓子をご紹介。宮廷画家だったルーベンスにちなんで、ベルギー王室御用達の老舗洋菓子店「ヴィタメール」とのコラボレーションによる限定商品が登場する。ヴィタメールは、1910年にブリュッセルのグラン・サブロン広場で創業したベルギーを代表する洋菓子店。ベルギー王室の特別なおもてなしには、必ずここのチョコレートやお菓子が使われるのだそう。
ルーベンス展のために選ばれたお菓子は、香ばしいマカダミアナッツとアーモンドをのせたサブレをチョコレートでコーティングした、ベルギーらしい一品。ローマ建国の伝説を描いたルーベンス作品《マルスとレア・シルウィア》をあしらったオリジナルパッケージは会場でしか手に入らない。お土産や鑑賞の記念におすすめ。
ネロとパトラッシュの物語を、もう一度!
日本でルーベンスを語るときに必ずといっていいほど登場する、アニメ『フランダースの犬』。原作はイギリスの作家ウィーダが19世紀に書いたものだ。外国文学だからなのか、物語の舞台となったベルギーではあまり知られておらず、アニメ化された日本でだけ有名なのだという。そのストーリーは、あまりに悲しい。画家を目指す少年ネロが唯一の肉親だった祖父を亡くし、世間から虐げられ、望みを託した絵画コンクールにも落選し、愛犬パトラッシュとともに教会のルーベンスの絵の前で天に召されてしまう。ネロの憧れの画家がルーベンスであり、一度見たかった絵が聖母大聖堂の祭壇画というところが人々の印象に焼きついているのだろう。
アニメは1975年に放映され、とりわけ有名な最終回の視聴率は驚異の30.1%を記録した。『フランダースの犬』は日本人のソウル・アニメなのである。
ルーベンス展—バロックの誕生
2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)
国立西洋美術館 東京都台東区上野公園7-7
9時30分〜17時30分(金曜、土曜は20時まで。11月17日は17時30分まで ※入館は閉館の30分前まで)
月曜、12月28日〜1月1日、1月15日休館(12月24日、1月14日は開館)
一般・当日1,600円ほか
TEL:ハローダイヤル 03-5777-8600
『クロワッサン』983号より
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