安全対策と整理収納、そして備蓄は災害サバイバルの3本柱。
台所は、大きな揺れが来たとき、家の中で最も危険な場所。どのような片づけと備えが必要なのか専門家に聞きました。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
東日本大震災を経験後、整理収納アドバイザーになったのが熊田さんのスタート地点。防災備蓄収納マスタープランナーの資格を取ったのち、さらに防災の知識を高めようと防災士の資格を取得した。
「防災と整理収納は一心同体の関係です。普段から物を減らし、整理整頓されたスッキリした空間であることが、地震が起きてもそのまま安全な空間になります。ただ、被災後の生活を考えるとまだ足りない。それに加えて大切なのは備蓄です」
災害でライフラインが停止した後、数日間を自宅で過ごすための手立て。最低3日、できれば1週間分の備蓄をしておきたいと熊田さんは言う。農林水産省の家庭用食料品備蓄のガイドラインでは、飲料水は1人当たり1日1L必要(体重1kg当たり15mlが目安)。これに調理等に使用する水を含めると1日3L必要になる。食料備蓄の柱になる米は2kg1袋で約27食分(1食=75g 茶碗1杯強)をまかなえるので、これに家族の人数を考慮して目安にする。
「以前は非常食をそのまま押し入れなどに保管して、気がつけば賞味期限切れという家庭が多かったです。いまはローリングストック法といって、普段から食べ慣れたものをストックして、食べた分を補充していく考え方が浸透してきています」
日ごろ食べているものを少し多めに買い、賞味期限の早いものから食べて、その分を買い足していけば、賞味期限切れで廃棄ということもないし、日常備蓄なので負担も少ない。
食料は1カ所にまとめず、種類別に備蓄しよう。
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