くらし

刃物、割れ物、燃えやすい紙類……。台所こそ防災を考えた片づけを。

  • 撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり

割れない、落ちない、飛び散らない。防災収納は「すっきり」が肝心。

防災士、整理収納アドバイザー 熊田明美さん

さらに食器棚や引き出しの中のものの配置にも、防災上注意すべき重要なポイントがある。
「まず重い食器や調理器具を高い所に置くのは落下してきたときに本当に危険です。軽いものを上に、重いものは下に収納しましょう。それから、いくら耐震ラッチを設置しても高層マンションなどでは地震の揺れで食器棚の中で食器が割れてしまうことも多いんです。それが悲しくて私は東日本大震災後、割れにくい食器に少しずつ買い替えてきました」

日常生活を慈しみながら、家族や自分の命を守る備えに心を配る。そのために収納術はある、と熊田さん。
「食器棚の引き出しの中も、一度カトラリーなどを全部出して、本当に必要かどうか見直してみるといいですよ。必要以上に物を持たず、置き方を工夫する。すっきり収納は防災の第一歩です」

包丁など刃物の保管は慎重に。安全に配慮し、飛び出さない場所へ。

「台所に包丁入れは2つ。こちらは差し込みレバーを動かすと包丁が外れないように固定できます」。出刃包丁など頻繁に使わないものを収納し、普段使いの包丁は扉の裏側に。

ガス台の引き出しは重いものを下に、鍋は動かないようケースに収納。

「調理道具で一番重い寄せ鍋用の鍋やフライパンは最下段に入れています。2段目には100円ショップの鍋蓋用ケースに鍋がピッタリ入ったので、それに収納しています」。きれいな収納を心がけたい。

食器棚に滑り止めシートを必ず。茶碗やスープカップは引き出しに。

滑り止めシートを敷くだけで、地震のときに食器の飛び出しや落下を軽減してくれる。熊田さんはニトリ製品を使用。引き出しに普段使いの茶碗や小皿などを収納すれば、飛び出して割れることもない。

落下防止も大切だけど、根本的に食器は割れにくいほうがいい。

「東日本大震災以後、割れにくい食器のコレールを少しずつ買い足して、入れ替えてきました。独自の3層のガラス素材で薄く軽くて重ねやすく、場所をとりません」
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