映画を観ている気分に!? 「ルーベンス展―バロックの誕生」。
取材・撮影/クロワッサン オンライン編集部
この秋は東京、いや上野界隈に名画・美術品が集まってますね。アートファンの嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです。
ヨーロッパで絶大な人気を誇る画家ルーベンスの美術展、「ルーベンス展―バロックの誕生」が国立西洋美術館で開催中。敷居が高そうなバロック美術ですが、ルーベンスという画家の名前は耳なじみがありますよね。
日本では「フランダースの犬」でルーベンスが一躍有名に。私事ですが、昨年、ベルギーのアントウェルペン(アントワープ)へ旅行した時に、ネロに思いを馳せながらルーベンスの祭壇画を見てきました。(すごい迫力で素敵でした!)
しかし、〈キリスト降架〉の祭壇画やルーベンスの名前は知っていても、ルーベンスってどんな画家かはよく知らない。という方も少なくないのでは? 10月10日発売のクロワッサン983号「知れば知るほど、名画は楽しい。」にて、漫画家のしりあがり寿さんと共に、ルーベンス展の攻略方法を特集しました。
今回日本で開催されるルーベンス展は、ルーベンスが大きな影響を受けたとされるイタリアとの関係にフィーチャーしています。と、言われても、難解そうな印象。(展覧会概要はこちらから)
ルーベンスの特徴である、跳躍感のある、生き生きとした宗教画や歴史画を楽しめれば、それでいいのではと思います。
そう思わせてくれたのが、「英雄としての聖人たちー宗教画とバロック」の展示室にある、日本初公開〈聖アンデレの殉教〉。そのカンバスの大きさが306×216cm。
展示室に入った瞬間、「大きい!」と思わず声が出てしまうほどの大作なんです。ルーベンス最後の大作宗教画で、傑作と言われています。ルーベンスのエネルギッシュさや、ドラマティックな躍動感。それを実際に目で見れるのはとても贅沢な時間でした。
クロワッサン983号でも、しりあがり寿さんとルーベンス展監修の国立西洋美術館主任研究員の渡辺晋輔さんが対談の中で、
「ルーベンスが考えていた絵画の物語性は、映画的ともいえます。」(渡辺)
(中略)
「もし現代にルーベンスが生きていたら、画家じゃなくて映画監督になっているかも?」(しりあがり)
と話していたように、映画の一場面を観ているような気持ちで見ると、急にバロック美術がおもしろく感じます。場面ごとにどんなシーンなのか想像したり、この子どもはなぜここにいるのか……など、妄想が捗ります。
まだ行こうか迷っている方、バロック美術が楽しめるか心配な方は、妄想の沼へつかっちゃいましょう。遠いと思っていた西洋美術も楽しく観ることができます!
2019年1月20日まで開催。一見の価値ありです!
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