くらし

“圧倒的な違和感”の先を作品から感じ取る。『街の中の岡本太郎 パブリックアートの世界』

《明日の神話》 1969年制作 2008年設置 東京・渋谷メキシコで制作した作品。2003年に発見後、渋谷マークシティ内に設置。

今年3月、大阪万博以来48年ぶりとなる「太陽の塔」の内部を再生しての一般公開が実現。“タローファン”のみならず、1カ月で2万人以上が見学に殺到するなど、いま岡本太郎の作品が注目を集めている。

川崎市岡本太郎美術館では、このリニューアル公開を記念して、全国各地に設置された岡本のパブリックアート(公共芸術)をその原画、スケッチ、写真等で紹介する展覧会を7月14日から開催する。

《太陽の塔》 1970年 大阪・吹田 日本万国博覧会のために制作。基底部の直径は約20m、高さは約70m!

〈芸術はだれもがいつでも無償でみられるべきもの〉と生前に考えていた岡本太郎。作品が個人の所有物になることを拒み、美術館の庭や公園、大学や幼稚園の敷地などに、彫刻、壁画、照明、モニュメントを制作。

それは全国70カ所、140点以上に及ぶ。今回の展覧会では1952年に制作された「太陽の神話」(現在、東京・大和証券グループ本社ビルにて見ることが可能)や「創生」といったモザイクタイルを使った初期の絵画作品から愛知県犬山市にある「太陽の塔」の兄弟関係ともいえる「若い太陽の塔」、’70年以降に制作されたJR岡山駅にある陶製壁画「躍進」、岩手県一関市にある彫刻「縄文人」など、時代を追った展示を行うほか、制作に励む岡本の姿や一部作品を映像で見ることもできる。

「芸術は爆発だ!」とCMで叫び、〈今日の芸術は、うまくあってはいけない、きれいであってはいけない、ここちよくあってはいけない〉〈『なんだ、これは!』というようなもので、ぐーんと打ってくる。それこそ芸術だ〉と著書で挑発するとおり、岡本の作品に宿る圧倒的な違和感。その核にあるものは何であるかを、この展覧会では垣間見ることができるはずだ。

《足あと広場》 1978年 広島・福山 松永はきもの資料館内に設置。男女の足跡が芝生に掘られている。
おかもと・たろう●1911年、東京生まれ、 ’29年渡仏。ピカソほか多くの芸術家と交流。’40年帰国。前衛的な絵画を次々発表。また「太陽の塔」をはじめ、立体作品や評論でも才能を発揮。’96年没。

『街の中の岡本太郎 パブリックアートの世界』
川崎市岡本太郎美術館 7月14日(土)~9月24日(月)
川崎市岡本太郎美術館(神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5)にて7月14日~9月24日まで開催。岡本太郎のパブリック作品の原画、図面、写真など約170点を展示。電話番号044-900-9898 営業時間9時30分~17時 休日:月曜(7月16日、9月17日、9月24日を除く)、7月17日、9月18日 料金・一般900円

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