『AIとBIはいかに人間を変えるのか』著者、波頭 亮さんインタビュー。「働かなくても食ってよしの時代が来ます。」 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
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『AIとBIはいかに人間を変えるのか』著者、波頭 亮さんインタビュー。「働かなくても食ってよしの時代が来ます。」

はとう・りょう●1957年、愛媛県生まれ。経営コンサルタント。東京大学経済学部を卒業後、マッキンゼー&カンパニー入社。’88年に独立し、経営コンサルティング会社XEEDを設立。音楽、煙草、コーヒー、猫をこよなく愛している。

撮影・千田彩子

「AIによる自動運転」「AIが小説を執筆」……。今やAI(人工知能)関連のニュースを目にしない日はないほど、AIの進歩は各分野に広がっている。

「2017年、米・グーグルが開発した囲碁AI『アルファ碁』が世界最強の囲碁棋士に勝利したことで、一躍注目を集めるようになりました」、と経営コンサルタントの波頭亮さん。

一方、BIとはベーシックインカムの略で、ひとことで言うと、全ての国民に無条件で最低限生活できる現金を給付するというもの。それによって国民全体の生活を安定させようという経済政策だ。そんな夢のような世界は本当に実現するのだろうか。本書は別々に語られることが多かったAIとBIが、じつは双方をもってしてもたらされる驚きの未来図をわかりやすく解説している。

「18世紀、蒸気機関をはじめとする内燃機関の発達によって、それまで牛や馬、人間が担っていた力仕事は機械がやるようになり、人々の生活は大きく変わりましたが、人工知能の発達はもっともっと速いスピードで進んでいます。

近い将来、仕事の大半はAIが代替してくれるでしょう。そうすると、趣味を楽しむ、あるいは自分を高めるために勉強する、といったライフスタイルが可能になります。それを支えるのがBIだと考えられています」

BIは200年も前から思想家や経済学者などによって考えられてきた。

「BIは貧困や格差をなくす、という社会保障的な政策というだけではなく、経済成長も実現できるのです。例えばヨーロッパ諸国にはここ20年、グーグルやアップル、アマゾンなど世界経済を牽引する企業は出てきていません。でもアメリカと比べて経済成長は同等かそれ以上です。それは、消費税も高いですが、大企業や高額所得者から高額の税金を取って再分配をしているからです。BIもこの延長線上で考えていけば実現可能なはずです」

波頭さんは、30年から50年後にはAIとBIによって「働かざるもの食うべからず」から、「働かなくても食ってよし」という時代がやってくると予測。

「決して働かずに済むというわけではありませんが、もっと生活全般にゆとりが生まれるでしょう。そして自分は何のために生きるのか、何を幸せと感じるか、一人ひとりに突きつけられるのではないかと思います」

幻冬舎 1,500円

『クロワッサン』977号より

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