くらし

【紫原明子のお悩み相談】男友達が欲しいのですが。

『家族無計画』や『りこんのこども』などの著書があるエッセイストの紫原明子さんが読者のお悩みに答える連載。あなたもお悩みを投稿してみませんか?

<お悩み>
父も元夫も浮気するタイプだったので、正直もはや恋愛対象としては男性に興味がなくなってしまいました。ただ、歴史とかビジネスとか話したいテーマや興味関心が男っぽいので、男友達は欲しいなといつも思っています。
恋愛感情抜きで男友達がほしいと思っているのですが、相手に誤解されないようにうまく友だちになる良い方法はないでしょうか。
(相談者:すずめ/40代女性で会社員、バツイチ子どもなし)

紫原明子さんの回答

すずめさんこんにちは。たしかに異性の友達作りって難しそうに思えますが、特にこの時代、すずめさんのように「恋愛は結構」しかし「これについて話したい」という目的が明確かつ好きなジャンルが定まっている人というのは、まったくもって心配ご無用と私は思います。方法は一つ。インターネットで検索して、同じジャンルが好きな人達が集まるオフ会やイベントに、積極的に参加してみてください。それだけで大丈夫です。

特に「歴史」と「ビジネス」というのはイベントが多い2大ジャンルです。歴史探索ツアーなんかは旅行代理店主催のものから自治体主催のものまで日々さまざまに開催されていますし、ビジネス交流会やビジネス書読書会も、やはり各地で毎日のように何かしら開催されています。

今の時代、オタクやマニアなど偏愛体質の人って本当に強いと思います。それも、アイドル好き、とかアニメ好きに限らず、そんなことまで? と驚くようなジャンルが出来上がってるんです。

たとえば私のある知り合いは、特定のラジオ番組が好きな人たちで集まってよくオフ会をやっています。また別の知り合いは、カレーライスが好きな人同志でユニットを組み、各地で出張カレーを販売するイベントを開催したりしています。かくいう私自身も、数ヶ月前から縁あって月1回開催されているマニアックな哲学講座に参加しています。カントの『純粋理性批判』という辞書のような本を通読する講座で、哲学ライターの吉川浩満さんが解説してくださいます。『純粋理性批判』を通読したい10人ほどの物好きで、うんうん唸ってます。

さまざまな分野のオタク女子からなる「劇団雌猫」というユニットがありまして、その構成員の数名が友人なのですが、彼女たちの著作『浪費図鑑』という本を、もし機会があれば読んでみてください。私はとても驚かされました。世の中には驚くほど細分化された趣味のジャンルがあって、なおかつそれぞれに、コミュニティとビジネスがしっかり出来上がっているんですよね。

それもこれも、つくづくインターネットの為せる技だと感じます。「私の好きなものはコレ!」と自分の看板を掲げる事ができる人は、それを目印に、同じ趣味の人と簡単につながることができる。欲しい情報をピンポイントで取りにいける。だから強いんですよね。一方むずかしいのは、広く浅くいろんなことが好きな人(私は実は比較的こっちなのですが……)、博愛の人か、無趣味の人です。日々膨大な情報が垂れ流され続けるインターネットの中で、簡単に迷子になってしまいます。前者はインターネットのおかげで孤独から解放された人、後者はインターネットのおかげで孤独を深めた人と言うこともできるかもしれません。

ちょっと脱線してしまいましたが、そんなわけでまずはぜひ、同じ趣味の人の集まる場に足を運んでみてください。一度参加してうまく馴染めなくても、怪しい集まりでさえなさそうであればぜひ、続けて3回ほど参加してみてください。恋愛目的と誤解されることを心配されていらっしゃいますが、特定のジャンル好きの集まりでは、恋愛とかいいから好きなことについて語らせてくれ、という人も多いので、性別を越えた友情が生まれるのも全く難しいことではないように思います。

少々手前味噌になってしまいますが、「猫町倶楽部」という読書会もおすすめですよ。名古屋、東京、大阪の3ヵ所で、毎月50〜100人規模のビジネス書読書会が開かれています。1、2度参加しただけでも複数の友達ができますし、サポーターとして運営側に回ればさらに、年齢、性別の垣根なく友達が増えます。毎回下は20代から、上は60代くらいまで、幅広い世代の方が参加されます。私も数年来、参加者として、ゲストとして、両方で参加させてもらっているのですが、おかげさまでたくさんのお友達ができました。……ただ、一つだけ問題もあります。私もまたすずめさんと同じように、色恋はもう十分、という気持ちでいたにも関わらず、気付いたら現場に恋人ができてしまっていたんですよね。しかも、どちらかと言えば私から積極的に仕掛けて。……ですから、年齢、性別を越えたたくさんの友情も生まれるけれども、ともすれば恋も生まれてしまう恐れがあるということで、どうぞくれぐれもご注意の上ご参加ください。いつの日か現場でお会いできることを、楽しみにしています。

イラスト:クロワッサン編集部・どーなつ

紫原明子● 1982年、福岡県生まれ。個人ブログが話題になり、数々のウェブ媒体などに寄稿。2人の子と暮らすシングルマザーでもある。Twitter

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