悪質商法評論家が解説!騙しの手口の最新トレンドと回避法!!
撮影・西邑泰和、松本幸子 イラストレーション・内田尚子 執筆 回遊舎・(酒井富士子・番場由紀江・尾崎寿子)、 鈴木弥生
悪質商法評論家という肩書を持つ多田さんもかつて騙された経験がある。 「役者志望だった頃、オーディションの告知が来て、受けたら合格。ただし入所金を今すぐ払わないと合格取り消しと。それで15万円払ったのですが、実はサギでした」。よくある話と思っても、焦りもあり、誰もが騙される。 「5分も対峙すれば、プロは必ず相手を騙す方法を見つけます」。騙されないための方法を知っておこう。
騙されないための心得
1 誰かに相談する
必ず人に相談。ネット検索は2次被害の可能性も。注意。
2 手口を知っておく
その時に流行っている手口やターゲットを知っておく。
3 自分の弱みを知っておく
儲け、恋愛、健康、美、優越感など自分の弱点を分析する。
4 売り込み話は鵜呑みにしない
セールスは基本怪しむ。電話は常に留守電にするのも手。
5 再度の確認アクションを起こす
自分で決定したことは大抵疑わない。決めてからも確認を。
それでも騙されてしまったら…
1人でくよくよ考え込まず、すぐに誰かへ相談しよう。詐欺ならば警察、悪質商法ならば消費生活センターが窓口だ。たとえ被害が少額でも泣き寝入りせず、必ず届け出る。というのは、この少額被害が騙しの入り口となって、次々と詐欺や騙しの被害にあうケースがあるのだ。1度騙されたら、次のターゲットにもなっていると認識して、被害届を出しておこう。
最近のトレンド手口
多田さんに近頃流行している「騙し」を教えてもらった。ただし、本に出た時点で、トレンドではなくなる可能性も。 少しでも怪しいと思ったら、まず信頼できる人に相談することを心がけよう。
詐欺:以前からある手口! 公的機関を騙ったハガキ
実在する公的機関の名称を記載し、信じ込ませて騙す手口。書いてある電話番号などは100%ニセモノ。慌てずに警察の相談窓口#9110や無料法律相談などに相談。
詐欺:なんと! 警察を騙(かた)ってだまし取る!
実在する公的機関の名称を記載し、信じ込ませて騙す手口。書いてある電話番号などは100%ニセモノ。慌てずに警察の相談窓口#9110や無料法律相談などに相談。
悪質商法:お試し価格が激安。実際は複数回購入縛り
1回限りと思って申し込むと、実際は定期購入契約。次回の商品が定価で送られてきて、なかなか解約できない。支払総額や期間の表示がないのは、悪質業者と考え、申し込まない。
悪質商法:ネットのクチコミを信用したら粗悪品が届いた!
クチコミを鵜呑みにしないこと。業者のねつ造もある。また、インターネットの場合、自分が見ているサイトが信用できるサイトでも、表示される広告は全くの別モノ。注意を。
悪質商法評論家 多田文明さん
詐欺・悪質商法評論家、潜入ルポライター、詐欺・悪質商法ジャーナリスト。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」委員も務める。
『クロワッサン特別編集 身内がトラブルに遭ったときの手続き』
— マガジンハウス 編
定価:880円 (税込)
本書では法テラスのデータを元に、特に40代?60代の女性の相談が多かったにトラブル実例を紹介。
それをケーススタディとして、法律的に適切な対処法をレクチャーしていきます。
まさに「困ったときの法頼み」。一家に一冊必携です。
監修:
田中晴雄(たなか はるお)さん/弁護士
早稲田大学法学部卒。昭和62年に弁護士登録。平成10年に田中晴雄法律事務所を開設し、代表を務める。平成16年日本弁護士連合会事務次長に就任。平成25年~29年9月まで日本司法支援センター常務理事。相続、交通事故、離婚、債務整理、不動産トラブル、企業法務などの案件に取り組んでいる。
太田晃弘(おおた あきひろ)さん/弁護士
平成16年に弁護士登録。平成18年に法テラスのスタッフ弁護士となり、岐阜県へ赴任。司法過疎地での弁護士業務に取り組む。平成22年から東京パブリック法律事務所で司法アクセスが困難な高齢者・障がい者の案件に取り組む。平成24年に法テラス東京法律事務所に所属。社会福祉士・精神保健福祉士。
編集協力:日本司法支援センター(法テラス)、独立行政法人国民生活センター、 新宿区福祉部高齢者支援課(新宿区役所高齢者総合相談センター)、 悪質商法評論家 多田文明、武蔵野大学教授 佐藤佳弘
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