『懺悔日記』著者、藤田あみいさんインタビュー「病気になり、幸せの意味を考えました。」 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
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『懺悔日記』著者、藤田あみいさんインタビュー「病気になり、幸せの意味を考えました。」

ふじた・あみい●イラストレーター。北海道生まれ。女性誌などでコミックエッセイを連載中。ウェブサイト「無印良品の家」で『ぜんぶ、無印良品で暮らしています。~三鷹の家大使の住まいレポート~』を執筆し、2016年に書籍化された。

撮影・青木和義

オーバーオールにニットキャップと、若者らしい出で立ちのこの女性。産後うつと強迫性障害に悩み、その闘病生活をありのままに綴った『懺悔日記』を発表した、藤田あみいさんだ。強迫性障害とは、不合理だとわかっていても、そのことが頭から離れず、確認を繰り返す疾患のことをいう。

「もともとはとても明るい性格で、自分には日常のどんな些細なことでも楽しみに変えられる力があると思っていました。まさかこんな病気に悩まされるとは」

28歳で娘を出産。両親は遠方に住み、夫は仕事が忙しく、顔を合わすことが少ない。そんな中、一人で子育てに奮闘する。

「私自身、両親にとても丁寧に愛され、やりたいことをやらせてもらいました。なので、私もそんな親になりたい、人生がこんなにも楽しいということを、娘に教えてあげたいと思っていました」

理想の母親像と自分のギャップに悩むことは多少はあったが、娘へたっぷりの愛情を注いでいたと振り返る。しかし、転機が訪れるのは子どもが生後8カ月になった頃。

「保育園見学をした時、園長先生が『人見知りしないわね、これからかしら』と、ふとつぶやいたんです。それから、娘が自閉症や発達障害であるのでは、という不安に苛まれるように。障害があっても自分の子どもに変わりはなく、愛せる自信もあるのに、なぜか心がついていかないんです」

相談する人がいない状況で、頼ったのはインターネット。検索すると悪い情報ばかりが目につく。病院で医師に大丈夫と言われても、インターネットの情報を読みこんだ後で信じることができなかった。食事が喉を通らず、13㎏痩せた。いくつもの病院を訪れたりしたが回復せず、最後には処方された薬を大量に飲み救急搬送。入院生活を経て日常生活を送れるほどに回復するまでが、この本には時系列で綴られている。

「今現在、完治はしていません。不安に襲われることがまだあります。でも、不安は悪い感情ではなく、愛情の証しと捉えられるようになり、楽になりました。『懺悔日記』は産後うつの話ですが、本質的には幸せ探しの話だと思っています。ありのままを受け入れることが幸せにつながるということが、病気になってわかりました。幸せは、自分の価値観で決めればいいんだと思います」

育児だけでなく、仕事や介護、家事など、様々なことに頑張りすぎている人に読んでもらいたい。

マガジンハウス 1,500円

『クロワッサン』971号より

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