理想の母親像と自分のギャップに悩むことは多少はあったが、娘へたっぷりの愛情を注いでいたと振り返る。しかし、転機が訪れるのは子どもが生後8カ月になった頃。
「保育園見学をした時、園長先生が『人見知りしないわね、これからかしら』と、ふとつぶやいたんです。それから、娘が自閉症や発達障害であるのでは、という不安に苛まれるように。障害があっても自分の子どもに変わりはなく、愛せる自信もあるのに、なぜか心がついていかないんです」
相談する人がいない状況で、頼ったのはインターネット。検索すると悪い情報ばかりが目につく。病院で医師に大丈夫と言われても、インターネットの情報を読みこんだ後で信じることができなかった。食事が喉を通らず、13㎏痩せた。いくつもの病院を訪れたりしたが回復せず、最後には処方された薬を大量に飲み救急搬送。入院生活を経て日常生活を送れるほどに回復するまでが、この本には時系列で綴られている。