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危ないのは老後よりも「いま」? 損をしないお金の活かし方。

自己破産の件数の半分は40代、50代だといいます。手持ちのお金はどこに置いて、どう扱うべきなのか。やってはいけないことは?

撮影・岩本慶三 文・神舘和典

70歳以上でも働けるように40代から準備をしていく。

山崎 私は60歳以降、65歳以降の生活を預金でまかなうことばかりを考えずに、70歳過ぎても働く人生設計をするべきだと思っています。準備は45歳くらいから。収入を得るにはスキルと顧客が必要なので。自分自身は42歳から考え始めました。会社に片足を残しながら、評論家の仕事を始めました。

荻原 教育訓練給付制度が使えるなら、積極的に利用するべきです。

山崎 それから、妻も働きましょうよ。パートタイムではなく、長く働く意識をもって。扶養控除の壁を超えてもね。

荻原 年収130万円の壁を超えると、所得税がいっきに増えますけれど。

山崎 130万〜150万円は確かに厳しい。でも、そこを超えると世帯収入は増えるので、先を目指しては。

荻原 働くと楽しいしね。

山崎 夫婦でいけるところまで働いて、年金を繰り下げ受給する。65歳からではなく70歳からもらえば、月額約42%増えます。それから預金。おおざっぱな目安ですが、厚生年金のある会社員は、45歳から手取り所得の20%ずつ預金すれば、老後は現役時代の70%くらいの生活費が得られます。自営業だと30%預金しておくと心配ないですね。

「投資に向かない人」チェックリスト

□よくわからないので、みんなが投資しているものに投資する。

□細かい文字は苦手なので、専門家に商品説明してもらいたい。

□インターネットは苦手。電話で頼めるものがいい。

□損得を、電卓で計算するのは苦手。

□恋愛をズルズル引きずるタイプ。割り切りが悪いほう。

□絶対に損したくない。自分が損するとは思えない。

□これから子どもに教育費がかかるので、お金を増やしておきたい。

□とにかく毎日忙しいので、手間のかからない投資をしたい。

□他人からも素直な性格と言われ、世の中を斜めに見るのは苦手。

□勝負事に熱くなりやすい。宝くじを買うくらいなら競馬をする。

思い当たることが複数あったら、投資はしないほうがよさそう。

 

山崎 元(やまざき・はじめ)●経済評論家。楽天証券経済研究所客員研究員。近著に『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(共著/文響社)。

荻原博子(おぎわら・ひろこ)●経済評論家。経済評論家の亀岡大郎氏に師事し、フリーの経済ジャーナリストに。近著に『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)。

『クロワッサン』966号より

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