「子どもから見ると、家が古くて不便そうだから『住み替えたほうがいい』となりがちです。でも、ここでも本人がどこで暮らしたいのかを確認し、それをサポートすることが最優先です」
一人暮らしでも、ご近所さんや親戚、地域との地縁がある場合も。
「仲間に支えられつつであってもそこで暮らしていけるなら、極力、コミュニティを崩さないようにしてあげるのがいいと思います」
自立して暮らすのに必要なことは何か。例えば、掃除が難しくなっているのであれば掃除のサービスを、買い物や自炊が負担になっているのであれば、食材や弁当の宅配を手配してあげる方法もある。
「こうしたサービスを『もったいない』と思う親世代は多いものの、一度使って『こんなにラクになる』と気に入れば、自分でリピートするなど、取り入れてくれるはずです」
厚生労働省も、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、地域の包括的支援やサービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。
「万一、親に介護が必要になったときに備えて、親の住まいの市区町村の『地域包括支援センター』にも足を運んでおきましょう。どんなメニューがあり、その中でどれが親に役立ちそうかを確認する、スタッフの方と軽く話をして、顔見知りになっておくなどしてもいいですね」