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危ないのは老後よりも「いま」? 損をしないお金の活かし方。

自己破産の件数の半分は40代、50代だといいます。手持ちのお金はどこに置いて、どう扱うべきなのか。やってはいけないことは?

撮影・岩本慶三 文・神舘和典

お金は個人向け国債か普通預金へ。一番いけないのが“タンス預金”。

山崎 荻原さんは、お金の置き場所はどこにしていますか?

荻原 銀行です。金利は安くても、金庫のつもりで。私は現金主義ですけれど、タンス預金はよくないですから。

山崎 タンス預金はダメですね。

荻原 特にお年寄りはどこにしまったか、わすれてしまいます。オレオレ詐欺に引っかかってレターパックでお金を送ってしまうのも、自宅に現金を置いているからでしょう。

山崎 普通預金は相対的には悪くないですね。今、定期預金でも国債でも金利は0%に近いから。

荻原 山崎さんは、お金はどこに?

山崎 私は個人向け国債です。銀行よりも安全だと思います。銀行が倒産した場合、保護されるのは1000万円と利息分までなので。

荻原 もし3000万円あったら、3つの銀行に分けて預けては?

山崎 銀行に置くと、コールセンターから金融商品の営業の電話がかかってきますよね。あれがどうも苦手で。

荻原 郵便局だと安心だと思っている人もいるみたいだけど……。

山崎 郵便局も銀行と同じですよね。ゆうちょ銀行という、ちょっと地味な銀行だと思ってください。

荻原 1億円預けると1年後に30万円キャッシュバックする大手証券会社もありますが、あれは“餌まき”だと思うべきです。口座を管理する銀行と違って、証券会社は誰がお金持ちなのかがわかりません。そこで、お金持ちを判別するために契約を取る作戦です。

山崎 「銀行よりもお得ですよ」と言ってお金を預かる。確かに得だけど、1年経つと、電話攻勢が始まります。自分の会社の金融商品の営業です。

荻原 あの手この手で投資に誘い込もうとしていますからね。

お金の置き場を3つに分ける山崎さんの考え方。

[個人向け国債] 山崎さんが勧めるのは個人向け国債の10年。国債を個人のために買いやすくした金融商品…

[個人向け国債]
山崎さんが勧めるのは個人向け国債の10年。国債を個人のために買いやすくした金融商品で、国の責任で支払いが行われる。募集は毎月あり、期間内に銀行や証券会社で1万円から購入可能(ネット購入も可)。“国”なので、お金の保管場所としては銀行よりリスクが少ない。金利が0.05%以下にならず銀行より有利。

[インデックスファンド]
インデックスファンドとは日経平均やダウ工業平均などの指標(インデックス)に連動して機械的に運用されるファンドのこと。金融のプロが運用するアクティブファンドに比べて手数料が安い。また、過去の業績を見ても、アクティブファンドの平均がインデックスファンドに勝ったことはほとんどない。

話題のつみたてNISAとiDeCoは有利?

 [つみたてNISAとは]
2018年1月にスタートした少額投資非課税制度。金融庁による対象商品に限る。堅実型、標準型、積極型がある。従来のNISA同様、毎年の非課税投資枠内の利益や分配金に税金はかからない。投資枠は年間40万円、投資期間は最長20年。少ない金額から毎月こつこつ長期の資産運用をしたい人向け。NISAとの併用は不可。

●運用できるお金の余裕があるならば、120万円まで非課税のNISAから利用するべき。(山崎さん)
●税制上は有利でも、私は好きではありません。高くても毎月同じ銘柄を買わなくてはいけないから。(萩原さん)

[iDeCoとは]
個人型確定拠出年金のこと。毎月の掛金を自分で運用し積み立てる年金。5000円から1000円単位で行える。受け取る金額は運用成績で変動。受け取りは原則60歳から。商品は自分で決める。掛金は全額所得控除。運用コストも非課税。受け取り方も選べて、一時金なら退職所得控除、従来の年金同様分割なら公的年金等控除を受けられる。

●60歳未満で、勤めていて、課税所得があるならば枠いっぱいに使うべき。所得課税で有利なので。(山崎さん)
●自営業を続けていると、お金が必要なことがあるのに、60歳まで引き出せないのは困ります。(萩原さん)

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