そして一年の最後に振り返り、貯蓄がどれぐらい増えているかを検証。その家庭の資産の増え方が把握でき、それによって5年後、10年後の家計状況が予想しやすくなる。
「現役世代の会社員なら年収の10%、共働きと老後の保障が薄い自営業は15%が貯められているかを目標に。それができていない人、むしろ減ってしまっている人は、一時的に3カ月ぐらい家計簿を併用して、何が原因で貯蓄が増えていないのか、レジャー費や自動車関連費などの特別支出等を見直しましょう」(POINT10)
もちろん家計簿も重要な役割が。
「特に、貯金がなく、赤字体質の人は家計簿をつけ、どの項目に無駄使いが多いか把握して改善する必要があります」
しかし家計簿では、実際の貯金や保険などの貯蓄額に対してどれぐらいの負債があるか、資産全体の推移を見ることはできない。
貯金簿は1年ごとの収入・支出のお金の流れがわかるので、老後資金の目安「年金生活の年間の赤字額×定年後の余命」の予想も立てやすい。老後資金に3000万円必要!は今や日本国民全員にとっての定説のように言われるが、
「家計調査の全国平均値であって、個々の生活とはリンクしていない数字。なのに、ただ闇雲に3000万円を目指して節約に走っている人も多い。自身の老後資金の必要額を知り、老後破産を防ぐためには、年金生活に入る前から貯金簿をつけることを習慣化できるといいですね」
そして実際に年金生活に入ったら、2カ月に一度の年金支給に合わせてつければ無駄に不安にならずに済むはず。現役就労者の場合は、ボーナス時期の特別支出などに合わせて、半年に一度の年2回でもよい。
「若い世代ほど真面目で不安感が強く、家計に神経質になりすぎている気がします。重要なのは1円単位で細かくつけることではなく、未来のために現状を把握することです」
今年から貯金簿、始めてみよう。