“朝”と“夕方”のしごとでめりはりのある時間使い【夕方編】
撮影・雨宮秀也 文・後藤真子
持っているものを正確に把握する
もともと二人とも、物があふれているような暮らしは好きではなかった。だからといって、物をひとつ買ったらひとつ捨てる、というような考え方はしない。
「なんだかふえすぎたな」「持っているものが正確に把握できていないな」と気づいたときに、二人のうちどちらかが突然始めるという「棚卸し」と呼ばれる作業を見せてもらうと、雨宮家の物とのつき合い方がよくわかる。
気になっている戸棚や引き出しなどに収納されているものを、全部出して、空っぽになった収納場所は水拭きする。出したものはひとつひとつ確認してもとの場所へ。このとき、食品は賞味期限が近いものからすぐに使えるように手前に出す。今回の台所の戸棚の棚卸しでは、カレールーの箱が2つ開封されているのが発見された。それをひとつの箱にまとめて冷蔵庫へ。
もともと、ストックはほとんど持たないというゆかさん、「棚卸し」によって物が一気に減るようなことはない。この作業は、片づけというよりも、持っているものを正確に把握するための確認作業なのだ。
あれ?と思ったら、1段分を全部出して「棚卸し」。
買い置きがあるか思い出せない、物を出そうとしたら雪崩れてきた、そんなとき始めるのが「棚卸し」。1段分の物を全部出し、在庫を確認してまた戻す。戻すときに賞味期限の近いものを手前にしたり、ほかの場所のほうがいいものは移したり。やってみると、1段分なら短時間で終了する。全棚を一度にやろうとしないのがポイント。
しまうたびに、器と器の間に布を挟む。
作家ものの陶器や木の器など、すてきな食器をそろえている、ゆかさん。食器棚には、器と器の間に布を挟んで収納している。「特別な布ではなく、使い古しのふきんなどを使います」。布が緩衝材になってくれるので、形が多少異なる器も安定して重ねられ、破損の防止にもなる。丁寧な暮らしぶりがうかがえて見た目にも快い。
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