専門ライターが選ぶ、東京の新刊書店4軒。
ライターの屋敷直子さんが本への誘いが心地いい本屋を厳選。町に根付いた店から、書店界に現れたニューウェーブまで4軒を紹介します。
文・屋敷直子
神楽坂モノガタリ(新宿区神楽坂)
『神楽坂モノガタリ』は、フリーランス書店員である久禮亮太さんが選書を担当している。約4000冊の本が重厚な書棚に納まっているが、はっきりとしたジャンル分けがなされているわけではなく、それとなくつながっている。取り付く島がないように見えて、だからこそ本の並びをじっくり追うのが楽しい。久禮さんは「新刊が入ってくると、どうしても既刊の本が埋もれてしまう。ここでは新刊のショールームをやりたいわけではなくて、すぐには売れないけれど置いておきたい、そんなロングセラーの場所を大事にしたいんです」と話す。ジャンル分けをはっきりさせないのも、そのためだ。ここでは頭をやわらかくして、埋もれた宝を見つけたい。
『クロワッサン』955号より
●屋敷直子 ライター/著書に、町の書店を9年半にわたり取材した記事をまとめた『東京こだわりブックショップ地図』(交通新聞社)。
04 / 04
広告