鶴岡から庄内町、酒田市、遊佐町へ。きらきら羽越観光圏の旅<2>
文・斎藤理子
世界有数のクラゲ水族館で、
幻想的なクラゲの姿に癒される。
庄内浜に面した湯野浜温泉の近くには「鶴岡市立加茂水族館」があります。クラゲの展示種類数が世界1としてギネスブックに認定されたこともある、他に類のないクラゲ水族館です。
一般的な地方水族館として1930年(昭和5年)に開館したものの、たいして特徴がなかった時期には存続の危機にも瀕したといいます。紆余曲折を経て2000年前後にクラゲ中心の展示に切り替えたところ、それが大当たり。2014年(平成26年)には建物をリニューアル。現在は最大50種類以上ものクラゲを飼育・展示し、その生体や魅力を伝えています。
ほの暗い照明のクラネタリウムには、そこだけがライトアップされたクラゲの水槽が並んでいます。暗闇に浮かび上がりゆらゆらと泳ぐクラゲの姿は、とても美しく幻想的。その不思議な光景にいつしか引き込まれ、時間が経つのも忘れてしまいます。
圧巻は、直径5メートルという世界最大級のクラゲ水槽「クラゲドリームシアター」。ライトアップの中で絶え間なく形を変えながらゆらゆらと浮遊する2000以上のミズクラゲの姿を見ていると、いつしか心がとても癒され、浄化されていくような気持ちになっていきます。恐るべし、クラゲパワー。
加茂水族館のレストラン「魚匠ダイニング沖海月(おきみづき)」では、クラゲラーメンや刻まれたクラゲのプチプチとした食感が楽しいクラゲアイスなどのクラゲ料理も食べられます。メニューには地魚料理も充実していて、水族館の中にあるレストランとは思えないレベルの高さ。日本海を一望できる眺めの良さもご馳走です。
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