鶴岡から庄内町、酒田市、遊佐町へ。きらきら羽越観光圏の旅<2>
文・斎藤理子
歴史ある醤油蔵を訪ねる。
庄内名物しょうゆの実は、最高のご飯のお供。
歴史ある庄内には、老舗の酒蔵、醤油蔵、味噌蔵がたくさんあります。その中のひとつ、余目駅から徒歩15分の庄内町にある「ハナブサ醤油株式会社」は1823年(文政6年)の創業。最初は酒蔵も兼ねていましたが、1890年(明治23年)に醤油を専業にし、その後味噌造りも始めて今日に至ります。現在の当主は15代目新左衛門氏。伝統的な醤油作りの技法を守り、今も職人の手作業で1年以上かけて熟成される醤油は、代々受け継がれて来た蔵付きの麹菌が醸し出す、醤油本来の香りと味わいに満ちた深い味わいが魅力です。
伝統的な醤油造り以外の商品開発にも熱心で、ねぎ味噌や柚子入り七味味噌、胡麻味噌、クルミ味噌などのおかず味噌も数多く販売。そんな中で一番人気は、庄内の食卓には欠かせない《しょうゆの実》というもの。庄内の伝統食であるしょうゆの実は、通常醤油を造る過程でできるもろみの副産物ですがが、ハナブサ醤油ではしょうゆの実専用の製法で製造。もろみに麹を加えじっくりと熟成させたしょうゆの実とアツアツご飯との相性は最高です。
庄内の美味しいお米がいくらでも食べられてしまうしょうゆの実ですが、野菜やお肉にもとても合います。発酵食品なので身体にも優しいしょうゆの実。庄内にいったら買って帰りたいもののひとつです。工場見学ができるので、実際の醤油造りの現場を見たり、直売所で買い物をしたり。ちょっと時間をとって立ち寄りたいスポットのひとつです。
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