島根への旅 2
神社めぐり〜神々の集う場所で、ご縁を結ぶ。
島根といえば欠かせないのは神社めぐり。今回は、須佐神社、出雲大社と万九千神社にお伺いしました。果たして「神々とのご縁」がつむいでくれるものは…。
背筋がのびる須佐神社。
クロワッサン倶楽部 2日目は神社めぐり。まず最初に向かったのは須佐神社(http://www.susa-jinja.jp/)です。
弓月ひろみさん(以下弓月) すごい場所でしたね! 境内に入った瞬間から、背筋がピンとのびました。荘厳で、澄んだ空気が満ちていて。
クロワッサン倶楽部 須佐之男命(スサノオノミコト) をお祀りしている神社なので、余計にそう感じたのかもしれません。本殿の裏にある、通称「大杉さん」とよばれている杉の木の迫力もすごかったですね!
弓月 「日本一のパワースポット」とも言われている場所ですね。この杉は樹齢1300年を超えているとか。
クロワッサン倶楽部 幹にむしていた苔の緑が美しかったですね。そこにヤブツバキの赤い花が落ちていて。
弓月 道を挟んだ向こう側に、天照大神(アマテラスオオミカミ)も祀られていました。神話では、スサノオのお姉さんにあたるんですよね。まるで見守るようにひっそりとした佇まいに、優しさを感じました。
八百万の神々が集う出雲大社。
クロワッサン倶楽部 次に向かったのは、ご存じ、出雲大社(http://www.izumooyashiro.or.jp/)。大国主大神(オオクニヌシノオオカミ=だいこくさま)が祀られています。全国から縁結びの御利益を求めて大勢の人が集まる神社ですね。実は「出雲大社」は「いづもおおやしろ」と読むのだそうですね。
弓月 八百万の神々が集まる場所だけあって、とても広く、古くから親しまれてきた温もりを感じるような場所でした。旧暦の10/11~17となる神在祭の間、集った神様が宿泊される「お宿」が東西にありましたね。東十九社(ひがしじゅうくしゃ)、西十九社(にしじゅうくしゃ)と言うそうです。
クロワッサン倶楽部 神様のホテルですか!
弓月 普段は扉が閉まっていて、神在祭の期間だけは開いているそうです。なんだかリアルですよね(笑)
クロワッサン倶楽部 出雲大社は、本殿にお参りして帰る人が多いそうなんですけれど、実はぐるっと裏まで一周できるんですね! 今回、大社のかたに「ぜひ行ってほしい」とご案内いただいて、行ってきました。
弓月 実は裏側が一番、御本殿に近い場所。ここは行かないと損ですよ! 仲良くお参りする、二羽のうさぎの像もありました。出雲大社の宮司でいらっしゃる千家尊祐さんや、権宮司の千家国麿さんのお名前も刻まれていましたね
参拝のあとはグルメとお買い物。
弓月 出雲大社への参拝のあとは、出雲そばをいただきました。なんと、釜揚げそば!この土地ならではの食べ方だそうですね。
クロワッサン倶楽部 そば湯に入ったおそばなんですよね。私も初めてでした。薬味を入れて、つゆをかけて…とろみがあって、アツアツで、からだがあたたまりましたね!
弓月 もともと、自宅でもそば湯をかけていただいてたんですが、ルーツが出雲にあるとは知りませんでした。島根など、地場のそば粉を使用されているそうで、ふわっと立ちのぼってくる蕎麦の香りと、そばがきのようにねっとりした食感がすばらしかったです。好みでかけられる、つゆも美味でした。うるめいわしや鰹荒節など数種類と、大社町の泉屋醤油店のお醤油を使用しているそうですね。ああ、思い出したら、また食べたくなってきました。
クロワッサン倶楽部 私もです! でもその後すぐにぜんざいを食べていたじゃないですか(笑)
弓月 はい(笑)出雲は「ぜんざい」発祥の地だそうですよ!「神在月」に振る舞われていた「神在餅(じんざいもち)」の「じんざい」が「ぜんざい」に変化していったとか。甘味好きとしては、食べないわけに行きません!ふっくら炊きあげられた小豆と、茹でた紅白のお餅、良かったですよ〜。
クロワッサン倶楽部 出雲大社の目の前、神門通りも楽しい場所でしたね。
弓月 風水漢方 艸楽(そうらく)(http://horie-pharmacy.net/souraku/)さんでは、自分に合うお茶を処方していただきました。生年月日から割り出すんですよね。
クロワッサン倶楽部 しかもオリジナルブレンドなんですよね!
クロワッサン倶楽部 「ご縁横丁」にある出雲漬物・けんちゃん漬けというお店で漬け物もたくさん買いました。
弓月 私も家族へのお土産に白ねぎの焼き醤油漬を買いました。ネギの漬け物ってあまり見ないですよね。刻んで、暖かいごはんやお豆腐にかけていただくんですが、とても後を引くお味なんです。
クロワッサン倶楽部 散策の途中で入った、平成2年まで現役だったという旧大社駅の木造建築も素敵でしたね!
神々の直会(なおらい)の場所・万九千神社。
クロワッサン倶楽部 次に伺った万九千神社(http://www.mankusenjinja.jp/)では、大笑いの連続でしたね。宮司の錦田さんがとてもお話し上手でユニークなかたで。
弓月 神社の境内であんなに笑ったのは初めてですよ!「まんくせん」というのは通称で、本来は「まくせ」と読むそうです。ここは、八百万の神様が祭の後に集う場所なんですよね。
クロワッサン倶楽部 つまり、神様が旧暦10月に10日間の会合を終えた後の打ち上げの宴会をする場所なんですよね。神様の打ち上げを「直会(なおらい)」というんですね。絵馬にも直会をする神様たちの様子が描かれていました。
弓月 神事の最後に関わった人々が神の元で御神酒で杯を交わすことを「直会(なおらい)」と言いますが、出雲ではそれが「神様の打ち上げ」となるわけですね(笑)
クロワッサン倶楽部 ここで教えていただいたのが「じんじゃエール」。お酒が飲めない方や車で来た方にも御神酒を召し上がっていただこう、と、地元で小規模農業を営んでいる「出雲生姜屋」(http://izumosyogaya.com/)の南さんに出雲生姜を使ったジンジャーエールを開発してもらったそうです。
弓月 実は南さんは元々、西ノ島町の職員、錦田宮司は県の職員だったと聞きました。出会いは南さんがまだ職員だった頃。錦田さんに、神事にまつわる講演を依頼したところからはじまったとおっしゃっていましたね。
クロワッサン倶楽部 神社エールの企画が決まったのはおふたりの「直会」の場で、ということでしたね(笑)
弓月 ご縁が2人の未来を繋ぎ、直会がそれを深めていった。出雲らしいエピソードです。
クロワッサン倶楽部 錦田宮司が「ご縁を結ぶ、ということは、今では男女のことばかりに思われている節もあるけれど、そもそもはものごとの生成・発展を意味する言葉なんですよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。まさに、島根県への旅の取材を決めたのは、こういった「人をめぐる様々なご縁」をつむぐための元気と癒やしをもらっていただきたかったからです。
弓月 出雲大社の後に「結び参り」として、ここを訪れる人が増えているそうです。
クロワッサン倶楽部 この日もそういう行程にしてみました。素晴らしい締めくくりでしたね。
取材協力・(公社)島根県観光連盟
しまね観光ナビ
http://www.kankou-shimane.com/
島根への旅 1 世界遺産のレトロな町並みを散策。
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