これからの「ケア」を考えたい人へ。森田敦子さんの新刊『みどりのくすり箱がひらくケアのかたち』
撮影・落合星文 文・伊東ししゃも
年齢を重ねるにつれて、「ケア」という言葉の意味は少しずつ変わっていくように感じます。若いころは美容や体調のことを思い浮かべていた人も、やがて家族の体調や親の介護、あるいは自分自身の体の変化など、より広い意味でのケアを意識するようになるのではないでしょうか。
そんなケアについて、植物の力を通して新しい視点を提示しているのが、2026年3月4日(水)に発売された、植物療法士の森田敦子さんの著書『みどりのくすり箱がひらくケアのかたち』です。
本書は、植物療法の知恵を手がかりに、自分自身や家族の心身を整えるケアのあり方を見つめ直す一冊です。日々の暮らしのなかで、どのように心と体をいたわっていくか。そのヒントが、やさしい言葉で綴られています。
日々のケアから看護・介護の現場へ。「みどりのくすり箱」という考え方
フィトテラピー(植物療法)の日本における第一人者として知られる森田敦子さん。フィトテラピーが日本で広く知られるよりも前にフランスへ渡り、パリ第13大学医薬学部で植物療法を学びました。帰国後は、植物の力を生かしたケアの可能性を伝え続け、女性の健康や暮らしに寄り添う活動を長年続けてきました。
本書で語られるのは、そうした活動の延長線上にある新たな取り組みです。それが、訪問看護ステーション「ブランマグノリア」。植物療法を取り入れた訪問看護ステーションで、「利用者も、その家族も支えたい」という想いから生まれたそう。
一見すると、看護や介護という分野は、美容や植物療法とは離れているようにも思えますが、森田さんの中では一本の線でつながっているといいます。
年齢を重ねても、美しく楽しく、そして健やかに生きること。そのためには日々のセルフケアだけでなく、看護や介護といったケアの現場についても考えていく必要がある。そんな思いが、この取り組みの背景にあります。
本書の中で印象的なのが、「みどりのくすり箱」という考え方です。ハーブやエッセンシャルオイルなど、植物の力を生かしたケアアイテムを、森田さんはそう呼んでいます。免疫力を高めるとされるハーブや、心身を整える香りなど、自然の恵みを日常のなかに取り入れていく発想です。
こうした考え方は、訪問看護ステーション「ブランマグノリア」でのケアにも取り入れられています。そのひとつが、広島にある医療・看護・介護施設、八千代会、メリィハウスグループと共同開発した介護ケアプロダクトシリーズ「メソワン(Mesoins)」です。
植物由来の成分を生かしながら、看護・介護の現場で使いやすいことにも配慮されたアイテムで、利用者にも介護する側のスタッフにも好評なのだとか。ケアする側の負担を減らしつつ、さまざまなシーンで活用できるよう工夫されています。
健やかに年齢を重ねるためのヒント
「女性はいつもマルチタスクで、あれもこれもとがんばりすぎてしまうもの。だからこそ、まず自分をケアしてほしい」と森田さんは語ります。自分の心身が整ってこそ、家族や大切な人を支える余裕も生まれる。そんな思いが、この「みどりのくすり箱」という言葉には込められています。
本書では、訪問看護の現場で見えてきたケアのあり方だけでなく、フランスでの学びや自身のユニークな人生経験なども交えながら、「どう生き、どう老いていくのか」という根源的なテーマにも触れています。人生100年時代と言われるいま、健やかに年齢を重ねるためのヒントが、静かな言葉で語られていくのもひとつの特徴です。
忙しい日々のなかでは、自分のケアを後回しにしてしまうことも多いもの。けれど、ほんの少し立ち止まり、自然そのものが持つ豊かな力に目を向けることで、暮らしの中に小さな余白が生まれるのかもしれません。
『みどりのくすり箱がひらくケアのかたち』を通して
家族のケアに向き合っている人にも、これからの人生をしなやかに生きたいと願う人にも。『みどりのくすり箱がひらくケアのかたち』は、そんな日々に寄り添う一冊です。植物の力を取り入れながら、自分や大切な人をいたわるためのヒントが見つかりそうです。
なお、本書の刊行を記念したイベントが、2026年3月29日(日)におこなわれます。場所は、東京・中目黒にある森田さん主催のフィトテラピースクール「ルボア フィトテラピースクール」にて開催予定。誰でも参加できる体験イベントで、3月27日(金)まで申し込みを受け付けています。
『みどりのくすり箱がひらくケアのかたち』で紹介されているケアの考え方を、より身近に感じられる機会になりそうですね。
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