美容大国・韓国のとっておき、「プゴクッ」で整える肌習慣
撮影・パク・ギフン 文・小池花恵
スープで始まる朝の習慣。ソウルの老舗に、美肌の源あり
人の体は食べたものでできている。肌もまたしかり。挨拶の代わりに「ごはん食べた?」と声をかける韓国の文化では、まず食べることが第一。不調は食べて解消。韓国の人たちの食との関わり方が明確に見える店を訪れた。
会社の始業前、朝7時の店の営業開始からスープを求める人がひっきりなしに訪れる。ソウル・市庁駅のすぐそばで1968年に創業された『武橋洞プゴクッチッ』は、もうすぐ還暦を迎える。父の後を継いだ2代目チン・グァンサム代表が厨房を切り盛りし、伝統の味を守る。メニューはプゴヘジャンクッの一品のみ。干し鱈のスープにごはんとキムチ、きゅうりの和え物、にら、ねぎとセウジョッ(アミの塩辛)のおかずがついてくる。ごはんとスープは食べ放題。酔い覚ましで有名なスープだが、美肌の効果もあるのだそう。
「うちのスープは国産の牛骨と干し鱈の骨で出汁を取り、そこに皮付きの干し鱈を厚めに切って具材として入れるんです。皮目にはコラーゲンがたっぷり。魚由来のコラーゲンは肉のものよりも分子が小さく、体に吸収されやすい。だから美肌の効果もあるのかもしれないですね」(チンさん)
コラーゲンは、肌の水分量を保ち、紫外線などの刺激から肌を保護してくれる。干し鱈のほか、プゴクッの具材には鱈と同じサイズに細長くカットされた豆腐と卵が入っているので、肌のハリや弾力に不可欠なタンパク質もたっぷり摂れる。
「うちでいま使っている干し鱈はファンテという加工が手の込んだもの。韓国北部にある乾燥場で特別に作ってもらっています。通常販売されている干し鱈よりも8日ほど乾燥の浅いものを低温貯蔵庫で2年分熟成させ3日ごとにソウルに運んで使っているんです」
黄太と書くファンテは、真冬の乾燥場で鱈を冷たい風にさらし、凍結と融解の過程を繰り返すため身が黄色く変化する。低温で熟成されることで栄養成分がより凝縮される。通常の干し鱈よりもタンパク質の含有量が多いことも特徴だ。つけあわせのキムチやニラにはビタミンCがたっぷり。カリウムを含むきゅうりの和え物にはむくみ解消の効果も。スープとおかずをバランスよく取ることでおいしく肌を整えてくれる武橋洞プゴクッチッのプゴクッ。乾燥するこれからの季節に、ぜひ訪れて食したい一品だ。
武橋洞プゴクッチッ(무교동 북어국집)
1968年創業の干し鱈スープの専門店。プゴは漢字で北魚と書き、スケトウダラを干したもののこと。
38 Eulji-ro 1-gil, Jung District, Seoul TEL:+82-2-777-3891 (営)7時〜20時(土・日曜、祝日〜15時) 無休
『クロワッサン』1153号より
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