注目のマレーシアン・フード「ロティーチャナイ」って?
撮影・小林正典 文・クロワッサン編集部
マレーシア料理と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか? バクテー(肉骨茶)、ラクサ(スープ麺)、サテー(串焼き肉)などは、食べたことがある人もいるでしょう。スパイスやハーブ、ココナッツミルク、麺、米、魚系肉系を用いた調和の取れた料理が特徴的で、多民族文化ならではの食の多様性を感じられるのが、マレーシア料理の醍醐味かもしれません。
その中で、インド系の影響を強く受けている料理のひとつがロティーチャナイ。「ロティー」はマレー語で「パン」。これが最近、SNSなどで話題になっているんです。理由は実にシンプルで、「すごくおいしい」から。一度食べたらハマった、初めてのおいしさ、などのコメントが散見されるものの、あまり日本で提供している店がない……と思っていたところ、開催中の大阪・関西万博で食べられることが判明。今でしょ! と早速行ってきました。
来場者による万博グルメランキングでは常に上位に入っているマレーシア。館内に入ると、1Fレストラン『MAKAN MAKAN』のオープンキッチンで何やらピザ生地のようなものを回している! そう、これがロティーチャナイの生地作り。回しながら伸ばし広げてはたたむ、を繰り返すことでパイのような層になるんですね。途中、宙に放り上げるなどのおもしろムーブもあってパフォーマンス要素も高いです。
いよいよ実食。ここでは2種のカレーと合わせて提供されるので、まずはプレーンのまま、次にカレーに付けていただきました。
“素”のロティーチャナイは、ナンのモチモチ感がありつつ、パイのサクサク感も備えていて、その新鮮な食感を楽しんでいるうちにほのかな甘みとコクが口の中に広がります。もちろんカレーとも好相性で、薄い層はスパイシーなつけ汁が絡みやすいという利点も発見。確かにこれは、とってもおいしい!
このロティーチャナイ、本国ではどのような存在なのでしょうか。『MAKAN MAKAN』のシェフ、ヴィヴェイさんに聞いてみました。
「マレーシアでは朝昼晩、ロティーチャナイを食べます。このようにカレーと合わせるだけでなく、生地を作る際に具を入れることもあるし、小さい子どもは練乳を付けて食べたり、アイスクリームと合わせたり。私は一度に2枚ぐらいはペロリと食べてしまいます(笑)」
日本人の舌にも合いますよね。
「そう、20年前の愛・地球博のときも人気ナンバーワンでした。でも日本では食べられる店が少なく、あっても冷凍であることが多いんです」
マレーシアならどこの店でも、どこを歩いていても焼き立てを食べることができます、とヴィヴェイさん。うらやましい!
さて、現在私たちが焼き立てのロティーチャナイを食べる手段は主に3つ。
1. 万博開催中にマレーシア館を訪れる。急いで!
2. 万博後にヴィヴェイさんがいる、大阪・梅田のレストラン『A DINING(エーダイニング)』を訪れる(日本で焼き立てを提供している数少ない店)
3. 本場のマレーシアに行く
最後に、万博のショップで見つけたマレーシア土産を紹介します。マレーシアの先住民族プナン族伝統のトートバッグや、マレー熊のぬいぐるみ、スパイスなど、どれも魅力的なデザインで日本ではあまり見かけないものばかり。見ているだけで、マレーシアを訪れたような気分に。
来年は「マレーシア観光年2026」。そのためさまざまな観光キャンペーンが行われることが期待されます。ロティーチャナイを食べる目的だけで訪れるのも楽しそうですが、この機会にボルネオ島のキナバル自然公園やマラッカ海峡の古都群などをはじめとする、世界遺産や雄大な自然を満喫するのはいかがでしょうか。
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