四季の彩りを日々の台所に。中川政七商店「花ふきん」30周年限定モデル発売
文・岡のぞみ
中川政七商店の「花ふきん」の始まりは、かつて奈良の夏を象徴する存在だった「蚊帳(かや)」の布でした。吸水性や速乾性に優れた蚊帳生地の特性を活かし、日常使いしやすいふきんとして再生させたのが1995年のこと。以後、使いやすい大判サイズとやわらかな風合いで広く親しまれ、累計販売枚数は460万枚を超えるロングセラーとなっています。
四季を描く、手仕事の美しさ
30周年を記念して発売されたのは、「春・夏・秋・冬・寿(ことぶき)」の5種をテーマにした特別モデル。桜や椿、シュウメイギク、杜若(かきつばた)など季節の花々に加え、鹿や蝶、蛍といった生きものも登場し、ひとつの絵のように暮らしに彩りを添えます。
原点の想いを込めた、余白を生かしたデザイン
これらの絵柄は、中川政七商店のデザイナーが透明水彩で描いた原画を元に制作されたもの。一枚ずつ手裁断され、余白の美しさを活かした額縁のような構図で仕立てられています。
「花ふきん」は58センチ四方とゆとりある大きさで、ふきんとしてはもちろん、野菜の水切りや食器拭き、目隠しやラッピングなど、暮らしの中のさまざまな場面で活躍しそう。
特別な箱に入った2枚組セット(3,520円)や、全5種を詰め合わせた30周年記念ボックス(1万1000円)なども用意されており、贈りものにもおすすめ。
歴史を重ね、これからも日常に寄り添って
1995年に誕生して以来、「花ふきん」は用途やデザインの幅を広げながらも、奈良の手しごとを大切に守り続けてきました。2008年にはグッドデザイン賞金賞を受賞。現在では、ふきんだけにとどまらず、同じ「かや織」生地を使ったストールやバスマットなども展開されるようになりました。
また、その確かな品質は、毎年東大寺で行われる「お身拭い」の行事において、大仏さまを清めるための布としても選ばれています。織り、染め、裁断、縫製など、手仕事の積み重ねから生まれた「花ふきん」は、日々の暮らしに、静かに彩りを与えてくれます。
商品は、全国の中川政七商店直営店およびオンラインショップにて数量限定で発売中。この機会に特別な一枚を手に取ってみてください。
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