【秩父】レトロな町歩きに天然温泉まで網羅!──神社めぐり、関東近郊からの日帰りご利益旅
撮影・MEGUMI 文・梅原加奈
秩父神社
秩父の繁栄を見守る、智恵と産業の神様
西武秩父駅からほど近く。柞の森(ははそのもり)に鎮座する秩父神社は、創建およそ2100年。智恵の神、八意思兼命など四柱の神々を祀る本殿は徳川家康が再建した権現造りで、周囲にぐるりと施された色鮮やかな彫刻が目を惹く。「北辰の梟」「つなぎの龍」をはじめ、秩父にまつわる縁起のいい動物たちを随所に見ることができる。
社殿の四方には福を運ぶ伝説の生き物と動物たちが
秩父総鎮守の古社で運を開くお祈りを
池袋から特急ラビューで最短77分。にぎやかな街並みがやがて山景に変わる車窓を楽しんでいると、西武秩父駅に到着する。駅に着いたら目指すは秩父総鎮守・秩父神社だ。江戸時代から上州や信濃への交通路として人々が集い、絹織物など産業も栄えた秩父エリア。秩父神社はその守り神であり、学問や工業の神様をお祀りしていることから商売繁盛や学業成就の祈願に訪れる人も多い。
参道の番場通りには明治・大正時代の建物が今も残り、歴史深い町の風情も楽しめる。『パリー食堂』もそんな時代を感じる名店だ。散策後は駅直結の天然温泉「祭の湯」へ。名産を扱う併設ショップもあり、電車の出発時間の直前までおみやげ探しに夢中になる。
【おすすめ立ち寄りスポット】パリー食堂
昭和初期から変わらない昔ながらの味を届ける
レトロな看板だけでなく店内も昭和の趣が残るレトロ食堂。創業した1927(昭和2)年は、産業が栄え秩父の町が最も賑わっていたころだという。人が集まれば食文化も花開く。当時から洋食を中心に提供し、人気を呼んでいた。オムライスも創業当時からの定番メニューで、今もレシピを変えずに受け継がれた味を作り続けている。
【おすすめ立ち寄りスポット】西武秩父駅前温泉 祭の湯
湯上がりに地元グルメとおみやげ探しも堪能する
2017年、当時の仲見世通りを温泉・買い物・食を楽しめる複合施設にリニューアル。日帰り湯〈祭の湯〉には、秩父のシンボル・武甲山を望む露天風呂などのお湯とサウナが。地元の名物が楽しめる〈祭の宴〉や秩父の蔵元の銘酒を試飲可能な〈酒匠屋台〉、名産や農産物が並ぶ〈ちちぶみやげ市〉も。駅直結なので出発ギリギリまで過ごせるのも便利なポイント。
電車は「特急ラビュー」が便利&快適
建築家・妹島和世監修による温かみある黄色を基調としたソファ調のシートと、足元までの大型窓ガラスが特徴的。運転区間は池袋⇄西武秩父など。運賃は池袋―西武秩父間で特急券900円+乗車券800円。チケットレスサービスSmoozまたは券売機等で購入できる。
https://www.seiburailway.jp/railways/laview/
『クロワッサン』1139号より
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